「眼鏡市場」/『DIME』
モノ作りへの自信をも深めたコラボ眼鏡開発プロジェクト
2023/05/10
目次
30~40代男性のビジネスパーソン向けという「眼鏡市場」初のチャレンジ
眼鏡業界売上No.1の株式会社メガネトップが展開する「眼鏡市場」が、ビジネスパーソンのライフハックマガジン『DIME』とコラボレーションした事例を紹介します。眼鏡市場は時代の変革を見据え、〝30〜40代男性のビジネスパーソンに向けた新定番〟をテーマに、初のチャレンジとして『DIME』との共創によるコラボ眼鏡を開発しました。
スペシャルコラボパートナーにロンドンブーツ1号2号の田村淳氏を迎え、2022年3月にスタートした共創プロジェクトは約1年の歳月をかけて進行。その間、『DIME』誌上で4回にわたって商品開発のレポートや商品の性能について紹介し、2023年3月に眼鏡市場全店でのコラボ眼鏡一斉発売に至りました。
完成品は高い評価を得て、売れ行きは非常に好調。「今回の取り組みと成果は、自社工場でのモノ作りの大きな自信にもつながりました」と語るメガネトップ 営業企画部 副部長の冨澤美奈さんに、コラボの経緯や商品開発の苦労、製品への反響などについて伺いました。
取材力・発信力に長けた媒体に、商品の価値をしっかり伝えてもらうのが狙い
消費者の声を製品に活かすべく、眼鏡の小売業界の中でいち早く自社工場を抱え、製販一体体制を敷く眼鏡市場。これまでに「FREE FiT」「ZEROGRA」「i-ATHLETE」など、軽さやズレにくさ、丈夫さといった機能性とかけ心地を追求した画期的なPB商品を世に送り出してきました。そんな眼鏡市場が『DIME』とのコラボを決めた背景には、商品の価格に込められている価値をよりよく消費者に伝えたい、という思いがあったといいます。
「商品の性能を支える技術や品質の高さといった価値を、消費者の方々にお伝えすることはなかなか難しく、いかに伝えるかが当社の課題でした。課題解決のため、テレビCMを打ったり、雑誌に広告を出したりもしましたが、どうしても伝えきれないところがあります。そこで、取材力のある『DIME』さんなら、商品をしっかり取材して価値をよく理解し、ユーザー目線に立った記事にまとめて発信していただける。そういうことができる媒体だと思い、一緒にお仕事をさせていただきたいなということが、まず前提にありました」
テーマを深掘りする取材力に加え、消費者が求めていることや嗜好、気分などを分析して先読みする力は『DIME』の強み。今回のコラボ眼鏡開発プロジェクトはその強みを活かしたもので、読者アンケートをもとにした眼鏡への要望や、〝リモート会議で柔らかい印象が出せること〟などを提言。一方、眼鏡市場にとって、30〜40代男性に向けたコラボ商品の開発は初の試みでした。
「もともと眼鏡市場は男性のお客様が多く、機能性の高い商品を開発し、CMなど情報発信をすることでご購入いただけています。ただ、今は多様性と言いますか、いろんな価値観でモノを買われるようになり、眼鏡を取り巻く環境も変わってきている中で、やはり眼鏡も機能性だけではなく、デザイン性、おしゃれ度というところが重視されるようになっています。ですので、そうした点を含めてアピールできる商品を開発する必要があるのではということで、コラボ眼鏡を共創させていただくことになりました」
コラボ相手のこだわりをどれだけ聞けるかの覚悟を持って臨んだ商品開発
コラボパートナーの田村淳氏はテレビやラジオで活躍する傍ら、Webショップで眼鏡を販売したり、動画サービスを運営する実業家でもあり、優れたプロデュース力の持ち主。
「最初に『DIME』さんからコラボパートナーの候補を何名か挙げていただきました。どの方も眼鏡を使われていて、眼鏡に詳しい方だったんですけど、田村さんにお願いしたいということをお伝えして、交渉していただきました。田村さんははっきりものをおっしゃる方で、個性があって好き嫌いがはっきりされている。それまではテレビで拝見するだけでしたけど、率直で裏表のない感じが、『お客様に誠実にモノを作り販売する』という当社の根底にある考え方と、ある意味合致するなと感じてもいました」
自分の好みや考えがしっかりしていて、はっきりとものを言う田村氏とのコラボでは、彼のセンスを形にするためにいろいろと苦労もあったとのこと。
「簡単ということは、自分たちにやりやすいようにコントロールできるということですから、コラボする意味がありません。極端な話、著名人やブランドさんの名前だけをお借りして商品を作るのが一番楽ですけど、それだと名ばかりのコラボになってしまって、消費者には響かない。消費者の方はそういったところを見抜いてしまいますので。ですから、コラボというのは常に苦労するものだと思っています。どれだけ相手のこだわりややりたいことにこたえられるか、その覚悟がないと受けてはいけないものだと、そういうふうには思っていますね」
眼鏡市場の機能性に富む商品ラインアップから、田村氏がコラボ眼鏡のベースモデルに選んだのは、装着感が軽く、鼻に跡がつきにくい「nosefree」。眼鏡の重量バランスに着目し、先セルにオモリをつけることで重心を後ろにずらして、鼻の負担を軽減した人気商品です。
「従来品は一目で機能がわかるよう、金属のオモリ部分をあえて見せるデザインになっています。田村さんは、ご自身が身に着けるもののスタイリングにはこだわりがあり、そのデザインは目立ちすぎるので隠してほしいとおっしゃいました。見せることで消費者の方に機能性を納得してもらいやすいのではという意図があったんですけど、隠してみると本当にすっきりシンプルになりました。それにある意味、自由になったというとおかしいですけど、見せなきゃいけないものがあると、どう見せるかを考えなきゃいけない。隠すとなればその必要がなくなりますから、そういったところの気づきも大きかったですね」
隠すためにはオモリ部分を樹脂で包む技術の開発や、包むことで重量バランスのとり方を一から考え直さなければならないといったハードルが生じました。またフレームはセルとメタルの2種類で作ることになり、メタルフレームはクラシカルな印象を持たせるために、ブリッジ部分に〝マンレイ山〟と呼ばれる複雑な造形を採用したことでも苦労がありました。
「マンレイ山は手間がかかり、品質を維持するのが大変で、量産には向かない形なんです。そのため工場に大きな負担をかけてしまうんですが、コラボだからこそチャレンジできますし、商品の印象としても全く違いますので、ぜひ製作したいと思いました。自社内だと何かにチャレンジする際に、製造工程や原価、時間の問題など、リスクが増えれば増えるほどやりづらくなり、結局は自社内で調整してしまう。その中でももちろん新しいモノは生まれますけど、やはり流されやすくなってしまうんですね。でもコラボだと相手の思いやこだわりを実現することが重要ですし、実際に商品として出来上がったことで、やればできるという自信にもつながります。今回のチャレンジは社内の大きなメリットにもなったと思っています」
モノ作りの現場の意欲を大いに高めた、自社工場の見学ツアー
商品開発と並行して『DIME』に掲載された記事では、田村氏が福井県鯖江市にある眼鏡市場の自社工場や協力工場を視察する様子をレポート。
「工場の皆さんは田村さんが来られたことに驚いて、非常に喜んでくれました。モノ作りの現場というのは、普段はあまり表立ってはきづらい部分です。作業の細かさや完成までに何度も検品しているといったことは、なかなか商品から見えてこない。田村さんが、一つ一つの工程に興味を持って、手にとってみられたり、話を聞かれたりしたことは、本当にうれしかったようです。それと『DIME』の安田編集長が一緒にいらっしゃったんですが、職人さんへの質問の内容が深くて(笑)。やはりこれまでの取材経験から、どこがポイントで何を読者に伝えるべきかがわかっていらっしゃる。最初に申し上げた取材力ということですけど、そういう見方をきちんとしてくれるんだということで、職人心をくすぐるんですね。誌面で商品の価値をしっかり伝えていただいたことに加え、職人さんたちの意欲を盛り上げてもらえたので、『DIME』さんとご一緒させていただいて本当によかったと思いました」
完成したコラボ眼鏡は、玉型がボストンとウエリントン、フレームがセルとメタルの計4モデル。かけ心地や機能性とスタイリングを見事に両立させた商品になりました。
「田村さんにも大変気に入っていただいて、4モデル全部欲しいと言ってもらえました。売れ行きも非常に好調で、とくにメタルはこの4モデルの中で一番人気です。試着していただくと、やはりマンレイ山が顔を立体的に見せてシンプルですが、一味違った印象になるので、男性だけでなく女性にもお買い上げいただいています。セルのほうはおしゃれ度が高く、これまでの眼鏡市場にはない商品なので、『DIME』を見て買いに来たという方が多いですけど、眼鏡市場にこうしたおしゃれなメガネもあるんだという認知を広げる、いい機会にもなったと思います」
今回の成果を踏まえ、今後も新たなチャレンジに取り組みたいと冨澤さんは語ります。
「眼鏡を通じて 〝豊かな視生活を提供する〟ことは、眼鏡市場の使命だと思っています。こうしたコラボ商品や新製品を自ら作れるというのは自社工場がある強みですから、そうしたところを活かしながら、消費者の方にご満足いただける製品を作っていきたいですね。またその際には『DIME』さんのような雑誌に取材いただき、第3者の目線で嘘偽りなく書いていただき、消費者の方に広く知っていただけるチャンスがあればうれしいですね」
コラボだからこそできた大きなチャレンジと、その意義を消費者にしっかり伝えること。この2つを成し遂げた今回のプロジェクトは、取材力があり、トレンドに対する豊かな知見を持つ媒体とのタイアップならではの成功例と言えるでしょう。
『DIME』の媒体資料ダウンロードはこちら: