空港で働くグラハン女子を描く『ベツコミ×ANA』のコラボが連載中!
2025/09/25

「グラウンドハンドリング(グラハン)」は、航空機が到着から出発するまでを支援する空港の地上業務。そのグラハンの世界を舞台に、主人公の成長と仕事、そして恋を描く『ブルーフライト ~グラハン女子物語~』が、『ベツコミ』で好評連載中です。職業×少女マンガの注目コラボとして、編集部コメントからIP協業の可能性を探ります。
目次
ANAとタッグで描く、“空の仕事”に恋する少女の成長ストーリー
『ブルーフライト ~グラハン女子物語~』は、2024年2月に『ベツコミ』で連載がスタートしたANAと小学館による初のコラボレーション作品。主人公は、南の島で育ち、空港で働く「グラウンドハンドリング」に憧れる少女・ここね。やがて羽田空港でグラハンとして働き始め、仲間との出会いや仕事の現場で奮闘しながら、成長していく姿が描かれます。
本作を手がけるのの子氏は、『ベツコミ』で『僕らは上手に恋ができない』『※キスは20歳になってから』などを手がけてきました。女性比率が増加しつつあるグラハン業界を丁寧に取材しながら、キャラクターの成長と仕事のやりがい、そして恋の物語を紡いでいます。
想いがクロスして生まれた、新たな職業マンガ企画
「異業種交流のなかで接点が生まれ、互いの想いが重なって企画が始動しました」
こう語るのは、『ベツコミ』の前田未央編集長(関連記事) 。ANAが抱える「パイロットやCAと比べるとまだ認知度は低いが、お客様の旅の安全を守る大切な役割を担うグラハンの仕事を若年層にも知ってもらいたい」という課題と、『ベツコミ』編集部の「少女マンガで、知られざる職業で働く女子を丁寧に描きたい」という思いが重なり、企画は動き出しました。
最初のきっかけとなったのは、ANA側から聞いた「グラハン女子」の話題。肉体的にハードな業務でありながら、女性比率が少しずつ上がっているという状況に、編集部も大きな可能性を感じたといいます。のちに取材の中で「最近では若い世代の応募も増えていて、求人もかなり集まるようになってきた」との声も聞かれるなど、社会的な関心ともリンクするテーマでした。
その後、複数の連載を抱える中でも「ぜひ描きたい」と手を挙げたのが、のの子氏。羽田空港をはじめ、普段は立ち入ることのできないエリアや現場の声を丁寧に取材し、作品にリアリティを与えていきました。大阪・伊丹空港の滑走路の短さや着陸の難しさなど、実際の現場でしか得られないさまざまな情報が、ストーリーの臨場感につながっています。
「主人公はグラハン女子と決まったものの、CAやパイロットなど、周囲のキャラクターをどう配置するかでも社内で議論がありました。恋愛要素をどう絡めるか、リアルな職業描写とどうバランスを取るか──その都度ANAさんにもご協力いただき、柔軟に取材対応していただきました。フィクションであることへの理解もあり、『漫画だからこそ描ける世界』を一緒に模索できたのはとても心強かったです。」(前田編集長)
■『ブルーフライト』
空の舞台で夢を追う、恋と仕事の青春ストーリー
南の島で育った少女・ここねは、中学時代に出会った少年との交流をきっかけに、空港で働く「グラウンドハンドリング(通称・グラハン)」を目指すことを決意。10年後、念願のグラハンとして働き始めたここねは、ミスが続いたりトラブルに遭遇したりで日々奔走! それでも仲間との絆や小さな成功体験を重ねながら、夢に向かって一歩ずつ成長していく――。ANA完全協力で描かれる、空と仕事と恋のスペシャルコラボ漫画!

少女マンガの力で、仕事と社会を“物語”に変える
現在、作品は3巻まで刊行されており、ANA社内でも「読んでモチベーションが上がった」「現場が描かれていて嬉しい」といった声が寄せられるなど、大きな反響を呼んでいます。
『ベツコミ』は創刊以来、高校生を主な読者層としてきましたが、『ブルーフライト』に関しては20代から60代まで、幅広い層の女性読者から支持を集めています。「仕事のリアルな現場と、そこに生まれる青春やドラマ。この構造が読者の共感を呼び、社会との接点にもなっている」と、前田編集長は語ります。
「感情に響く“少女漫画”というフォーマットだからこそ、職業や業種への理解につながる入口になれる――そんな手応えを『ブルーフライト』での協業を通じて感じました。漫画が読者と企業を自然につなげるメディアになり得るという新しい可能性を、今後も広げていきたいですね。」(前田編集長)
“推し活”が可視化される場所へ。IP展開が導く『ベツコミ』の未来
『ブルーフライト』のように、恋愛に加えて「仕事」や「成長」を軸にした物語は、『ベツコミ』らしさが光るジャンルです。2025年には創刊55周年を迎えた同誌は、これまでも多彩なIP展開に積極的に取り組んできました。
象徴的な施策のひとつが、2024年春に東京・神保町で開催されたコラボカフェイベント。『ポーの一族』『BANANA FISH』『僕等がいた』といったレジェンド作品をテーマに、コラボメニューや展示を展開し、誌面を飛び出した“推し活”の場として大きな話題を呼びました。(関連記事)

レジェンド作品をイメージした「ポーの一族 ワンプレートアフタヌーンティー」など、味覚と視覚の両面で世界観を楽しめる構成に。こうした企画を支えているのが、作品やキャラクターへの深い愛着を持つ読者たちです。
「“この世界観が好きだから”“このキャラのために”という気持ちが、実際にカフェへ足を運び、グッズを手に取る行動につながっています。55周年を迎える『ベツコミ』は、これからも読者の熱量に応えられる場をつくって、新たな展開に挑んでいければと思います。」(前田編集長)
今後も『ベツコミ』は、作品の魅力を生かしながら、ジャンルや業種を超えたコラボレーションに柔軟に取り組んでいきます。

フラワーコミックス
『ブルーフライト~グラハン女子物語~』
作/のの子
1~3巻発売中(以下続刊)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09872670
『ブルーフライト』は「ベツコミ」で連載中!
ベツコミ創刊55周年 特設サイト
『ベツコミ』の媒体資料ダウンロードはこちら