働く人に寄り添い、すぐに使えて役立つ旬のネタを日々配信しています。
『@DIME』石﨑寛明編集長インタビュー
2023/01/27
記事作りのポイントは現場視点です
石﨑寛明編集長は2008年に小学館に入社し、広告局で『DIME』を担当。2010年に『DIME』編集部へ異動してからは、家電・通信・IT・文具・マネーなどを手がけ、2013年より『@DIME』を兼任。雑誌とウェブのハイブリット編集者として経験を積み、2022年10月に@DIMEの編集長に就任。
月間1200本配信という圧倒的な発信力
創刊36年の雑誌『DIME』発のオンラインメディアとして『@DIME』がスタートしたのは2012年。雑誌のウェブ展開では、比較的早い時期に始まっています。
「スマホが急激に普及し、メディアが紙からウェブに変わりつつあるタイミングでしたね。ビジネスや世の中の変化のスピードが加速する中で必要とされる情報が増えたことで、カバーするジャンルも幅広くなりました。本誌には長年愛読いただいている読者がいますが、『@DIME』では既存の読者はもちろん、もっと幅広い層にリーチすべく記事を制作しています」
ターゲット層も幅広いのが特徴ですね。女性の読者も増えているそうです。
「読者のペルソナはあえてカチッとは決めていません。ビジネスパーソンすべてが読者になりうると思っています。“働く現場の人に寄り添い、すぐに使えて役立つ情報”を発信することを心がけ、スピード感を持って記事を発信しています。
主な読者は30~40代のビジネスパーソンです。男性向けのイメージもあるかもしれませんが、実際は男性6:女性4くらいで、女性読者も多いのが特徴です。共働き家庭も増えていますし、ビジネスに性別は関係のない時代なので、当然だと思います」
情報の氾濫、個人の嗜好の多様化による難しさがある現代ですが、だからこそ求められるのが『@DIME』なのですね。
「タイムリーなネタが読まれるのは、裏を返すと変化の早さについていけないビジネスパーソンもいると言えると思います。会話の中で知らない言葉が出てきても、“知ってるふり”をしてしまった経験がある人も多いと思います。おかげさまでDIMEは検索からの流入も多いのですが、部下との会話でわからなかった言葉を後で調べる時に、そっと手を差し伸べる媒体でありたいなと(笑)。
加速する社会の中で、次々と移り変わるトレンドの変化についていくことは非常に大変かと思います。メタバース、Web3、NFTなど新しい言葉もどんどん出てきますし、リスキリングがキーワードになっていますが、副業、投資など学ぶべきことは山ほどあると思います。そんな忙しいビジネスパーソンに向け、必要な情報を深掘りし、実用的な記事として発信していくことを心がけています。
これを成立させているのは、それぞれ違うベクトルのアンテナを張っている編集部員と、約100名ほどいるライター陣です。どんな情報もいち早く深掘りもでき記事化できるのが強みです」
メディアや企業をつなぐ“ハブ”として増す存在感
そういった編集部の多様性が@DIME内にあるいくつかのサテライトメディアに反映されています。
「2022年にDIME編集室で制作していた『PETomorrow』、『Men’s Beauty』を@DIMEに統合しました。現在は@DIMEの中のサテライトメディアとして展開しています。実はそれ以外にもマネー情報に特化した『DIME MONEY』、サステナブルでラグジュアリーなカーライフを提案する『AQ』、私が個人的に大好きなサウナを扱う『Saunner』なども@DIME内にサテライトメディアとして展開しています。それぞれの得意分野に合わせた広告提案もさせていただき、実績も積み上がってきています。
また、雑誌の『DIME』という紙メディアがあることも強みです。『DIME』の歴史だったり、ビジネスパーソンからの信頼があるからこそ『@DIME』を読んでくれている方もいると思いますし、その信頼に応えていく責任を感じています。一方で、新しいDIMEのカタチを見せていくことも『@DIME』の重要なミッションだと思っています。昨年から音声プラットフォームのVoicyで始めた『DIMEヒット商品総研』という音声コンテンツや『DIME Gaming』というメディア発のeスポーツなどがその一例です。そういった新しいDIMEを今後も見せていきたいです」
文章・動画・音声とフレキシブルに活用、その先に見据えているのは読者との結びつきだそうです。
「これまでもリアルとオンラインのビジネスセミナー『DIMEカレッジ』を開催していますが、コロナ禍の行動規制がなくなり、人が集まれるようになったことで読者とのリアルな接点となる場を増やしていきたいと思っています。毎回100名以上の読者が集まる合同試乗会『DIME Driving Lounge』もコロナ以前からの人気イベントです。こういったリアルなイベント、記事コンテンツ、雑誌のDIME、音声などをうまく結びつけ、DIMEブランドをより進化&深化させていきます」
最近では社内のメディアとのコラボや社外の企業との共創にも力を入れているそうですね。
「小学館が運営する乳幼児~小学生ママ向けのメディア『Hugkum』と一緒に作っている『Family DIME』、2023年には『美的』と共に『メンズ美的』も進めていく予定です。このように他のメディアと組むことでも『@DIME』の強みを出していけるのではないかと思っています。
もちろんこれはメディアだけでなく、企業やサービスと組んで企画、開発することにもつながっています。開発段階で意見を求められることもありますし、我々の持っている知見やノウハウを提供していくことでクライアントの皆さまのお手伝いもできるのではないかと思います。これまでも、ビジネスバッグやプリン、菓子などを開発してきましたが、2023年春にはビジネスパーソン向けのメガネが発売される予定です。
社内外、企業と読者をつなぐハブとしてもっと使ってもらうことでDIME、@DIMEはより活性化していくのではないかと思っています。私自身も新しい挑戦が楽しみです」
広告局で社会人1年目から広告主とのやりとりの中でビジネスの基礎を学び、『DIME』本誌で鍛えられた経験を元にコンテンツ作りを心がけている石﨑編集長。サウナ好きが高じ『Saunner』を復刊、ウェブ版もこっそり立ち上げるなど、編集長自ら“好きだから伝えられる強み”を実践しています。
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