環境保護やサスティナブルのことも積極的に発信してきたいと思います。
『BE-PAL.NET』町田玲子編集長インタビュー

2023/03/22

初心者が知りたいキャンプのノウハウから中上級者も満足するギア情報まで!

1994年に小学館に入社以来、雑誌『マフィン』(休刊)、『女性セブン』、広告営業、『CanCam』と編集を経験してきた町田玲子編集長。編集長として『美的』、『@DIME』に携わるというバラエティに富んだキャリアから得た知識を、アウトドアの世界に生かす施策を手がけています。

編集長自身がアウトドア初心者だからこそ知りたい、必要とされる情報が満載

今年創刊42年を迎えるアウトドア専門誌『BE-PAL』は永遠の〝アウトドア入門雑誌〟。唯一無二の媒体として、多くの読者から支持を得ています。

「ウェブの読者は20~40代の方が多く、そのうち約4割弱が女性です。SNSを活用した情報発信も活発で、フォロワーはインスタが12.4万人、ツイッターが5万人、Facebookが12万人、LINEの友だちが18.9万人で合計約48万人となっています」

各SNSで『BE-PAL』のフォロワーを獲得すると同時に、WEBサイトも昨秋の大幅リニューアル後、好調のようですね。

「キャンプ、アウトドア、自然が好きな方が訪れるのはもちろんですが、検索で訪問される方も相当数います。コロナ禍でアウドドアジャンルの需要が高まり、初めてキャンプに行く人が増えたことで、アイテムやハウツーを調べる機会が増えたのが追い風になりました」

アウトドア初心者が知りたい情報は、多種多様ですよね。

「指に刺さったトゲの抜き方からテントの張り方まで、困ったことが起きた時に、現場で調べる方も多いようです。また、ファミリーキャンプも人気なので、子供と楽しめる遊びを知りたい方もたくさんいらっしゃいますね。私自身は、今までアウトドアとは縁遠い人生だったので(笑)、異動を機に日々勉強中なのですが、服装ひとつとっても、釣り用、キャンプ用、登山用などジャンルごとに知識が必要です。最初に揃えるアイテムすら、どれを選んでいいのか分からない、知らないことばかりなのを実感します」

情報といえば、アウトドアに欠かせない、日々進化する多様なギアもあります。

「初心者だけでなく、中上級者が今よりさらに良いものを探す時にも見に来てくださっています。例えば、テントは持ち運んだり組み立てたり、寝てみないと実際の使い心地は分かりません。でも、ひとりで30種類も張って比較することはなかなかできませんよね。『BE-PAL.NET』は、アウトドアの達人である執筆陣が、新商品から定番品まで実際にアウトドアの現場で使ってみてレビューを書きます。手慣れているからこそ細かい部分まで詳細にお伝えできるというのが、サイトの強みですね」

ディテールにこだわる写真で、〝楽しさ〟をリアルに想起させるサイト作り

整理された情報をより検索しやすく、分かりやすくするため、昨年秋にサイトデザインをリニューアルされましたね。

「文章だけでは伝わりにくい、使い方や手順がポイントになる実用記事が多いため、スマホでも見やすい仕様にして、写真の掲載点数を多くしたりしています。また、ギアを探しに来ても満足いただけるよう、商品カタログも鋭意充実させているところです」

タイアップ記事は、通常記事と同様、丁寧な世界観の作りこみが良いと評判のようですね。

「はい。例えばキャンプに向いているクルマのタイアップ撮影では、実際にファミリーキャンプで使用する道具を一式キャンプ場に持ち込んで、写らないかもしれない小物も含めてすべてセッティングします。リアリティを追求することを大事にしているので、妥協はしません。そんなところをクライアントさまにも喜んでいただいているようです」

今後『BE-PAL.NET』での記事展開を考えているひとつが、〝日常生活の延長で使えるアウトドア用品〟の紹介やタイアップだといいます。

「アウトドアって、日常生活とはまったく違うものだと思っていたのですが、取材を経験するうちに、実はそこまで特別なことでもない、というふうに考えが変わりました。初心者が楽しむキャンプなら、家にある調味料を使った料理でも全然いいんですよね。『BE-PAL』では味噌料理のワークショップイベントを開催しているのですが、日常の調味料や食品でアウトドア料理の可能性も提案していきたいと考えています。また、キャンプで飲むウイスキーやビール、日本酒なども格別の味わいだったので(笑)、アルコールも含め、様々な食品や飲料メーカー様とタイアップしたら、面白いことができるのではないかとワクワクしています」

ほかにも、町田編集長のキャリアならではの気づきからのアイデアも。

「実はアウトドアで使うと便利な美容品が読者にあまり知られていない印象を受けました。キャンプ中の乾燥を防ぐケアアイテム、お風呂に入らない時に使えるアイテム、汗をかくときにこそ威力を発揮する日焼け止めなど、女性読者がとても知りたいことなのではないかと。エコフレンドリー商品も豊富に揃ってきた美容品は、とても親和性が高いジャンルだと思っています」

本誌でも好評の地域創生事業とのコラボレーションにも意欲的です。

「地方に住む執筆陣も多く、イベントや取材をスムーズに行えるのもポイントです。また、読者も記事で紹介された場所に「行きたい!」と思えば即実行するような、バイタリティがある方が多い印象です。記事を読むだけで終わらないので、地域創生と非常に相性がいいと思います」

また、コロナ禍で開催が難しかったリアルイベントも今年から復活しています。

「雑誌、WEB、SNSなど、それぞれの読者が一丸となって楽しめるイベントを開催したいですね。毎年恒例のFOREST CAMPはもちろん、月1回ペースで、編集部発信やクライアント様と一緒になど、イベントで盛り上がる機会を設けたいと考えています」

取材で行った長崎・壱岐島で「とてもきれいな風景で感動した一方、海洋ゴミが漂着しているところも目撃して、アウトドアアクティビティに親しむ方々が、自然環境に対する意識を高く持っている理由がよく分かりました。現地に行かないと実感できない環境保護やサスティナブルのことは、積極的に発信してきたいと思います」と語った町田編集長。自然を楽しむと同時に、環境を守る取り組みにも力を入れていきたいそうです。

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