女子小学生もChatGPTを活用──JS研究所が読み解く“メディア接触と生成AI”のいま
2025/12/09

『ぷっちぐみ』『ちゃお』編集部によるリサーチプロジェクト「JS研究所」が、女子小学生(JS)1000人を対象に「AI」「メディア接触時間」に関する最新調査を実施。デジタルツールが身近になるなか、従来型のメディア接触行動に最新ツール活用が上乗せされる「情報ハイブリッド世代」の実態が明らかになりました。
目次
女子小学生の1割がChatGPTを活用──“AIが普遍化する世代へ
調査では、高学年JSの約1割がChatGPTを「使ったことがある」と回答。このうち「使ったことがあり、今も使っている」層は5.4%、じょじょにではありますが、α世代における生成AIの浸透がうかがえます。さらに「使ったことはないが興味はある」を含めると、約3人に1人が生成AIに関心を寄せている実態が明らかになりました。


具体的な活用シーンとして最も多かったのは「画像を加工したいとき」。そのほかにも「宿題の問題について聞く」といった学習サポートや、「4コマまんがの作成」といった創作活動、「悩みを相談する」「献立を考える」など、日常生活に根ざした使い方が幅広く報告されています。
大人顔負けともいえる柔軟な使いこなしからは、AIを一方的な情報提供ツールではなく、「自分の生活を助けてくれる存在」として自然に受け入れている様子がうかがえます。
テレビっ子は今も健在──も、映像接触はYouTubeと二分
メディアへの接触時間の調査では、「1時間以上テレビを見る」層が6割を超えるという結果に。多くのJSがテレビを日常的に楽しんでいることがわかりました。
「ほとんど見ない」はわずか2.8%。デジタルネイティブのα世代にとっても、テレビは依然として身近なメディアであり続けているようです。

一方、今や動画の主流であるYouTubeの視聴時間は「1時間以上」が約4割。映像における可処分時間をテレビと分け合っています。

意外だったのはSNSへの接触度合い。小学生におけるスマートフォンの所有率が上がっていることやSNSを介した事件報道などから「影響が強い」という印象がありますが、実際にはX(旧Twitter)やTikTok、Instagramは、それぞれ75%以上が「ほとんど見ない」と回答。
男子小学生を対象とした「コロコロコミック研究所(ラボラトリー)」の調査結果でも75%が「自分のSNSアカウントを持っていない」答えているところから(関連記事)、現段階では、男女とも小学生へのSNSの浸透は一部に留まっており、その影響は限定的のようです。



女子小学生のメディアとの付き合い方はバランス&ハイブリッド型
今回の調査からは、高学年の女子小学生がテレビや動画、SNS、生成AIといった多様なメディアと適度な距離感でバランスよく向き合っている様子がうかがえました。「メディアの情報を受け取る」だけでなく、「自分の目的に応じて選んで活用する」という、α世代ならではの主体的な情報行動も見られます。こうした変化について、ちゃお編集長は次のようにコメントしています。
「今回の調査からJSのメディア接触は『新旧のハイブリッド』になっていることがわかります。
テレビは『家族で同じ時間を共有する場』として根強く支持されており、一方でYouTubeは『自分の好きな世界に没入する場』として圧倒的な存在感を示しています。つまりJSのみんなは『家族と一緒に楽しむ時間』と『自分だけの世界を楽しむ時間』を上手に使い分けていると言えます。
生成AIの関心はまだ一部にとどまっていますが、学習や悩み相談などに活用している子もいて、未来のメディアとの付き合い方を先取りしている姿が見えます。
『ちゃお』としてはこのJSの変化の目を見逃さず、紙やデジタルのコンテンツ作りに活かしていくつもりです!」
JS研究所から次世代マーケットのリアルデータを分析

JS研究所は、2022年に小学館の『ぷっちぐみ』『ちゃお』編集部が共同で立ち上げたリサーチプロジェクトです。毎月5,000通を超える読者アンケートを定量・定性両側面から分析し、女子小学生の価値観や行動をリアルタイムで可視化しています。誌面づくりだけでなく、企業との共同調査やコラボ商品開発、イベント企画などへの活用も期待され、次世代マーケットの生データを扱うプラットフォームとして注目を集めています。
「今回の調査からJSのメディア接触は『新旧のハイブリッド』になっていることがわかります。
テレビは『家族で同じ時間を共有する場』として根強く支持されており、一方でYouTubeは『自分の好きな世界に没入する場』として圧倒的な存在感を示しています。つまりJSのみんなは『家族と一緒に楽しむ時間』と『自分だけの世界を楽しむ時間』を上手に使い分けていると言えます。
生成AIの関心はまだ一部にとどまっていますが、学習や悩み相談などに活用している子もいて、未来のメディアとの付き合い方を先取りしている姿が見えます。
『ちゃお』としてはこのJSの変化の目を見逃さず、紙やデジタルのコンテンツ作りに活かしていくつもりです!」
<アンケート調査方法>
「ChatGPT」に関する調査
・調査期間:2025年5月2日~5月30日
・調査対象:『ちゃお』読者またはそのご家族・調査機関:自社調査
・集計数:1,000
・調査方法:雑誌のハガキアンケート
「テレビの視聴実態」「各種SNS・動画プラットフォームの利用時間」に関する調査
・調査期間:2025年5月2日~5月30日
・調査対象:『ちゃお』読者またはそのご家族
・調査機関:自社調査
・集計数:500
・調査方法:雑誌のハガキアンケート
■「ちゃお」編集部公式サイト「ちゃおプラス」
https://ciao.shogakukan.co.jp/
■「ちゃお」編集部公式X(Twitter)
@ciao_manga
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“現在の子どものリアル”を知る調査レポートについて
小学館では、女子小学生を対象とした「JS研究所」とともに、「コロコロコミック研究所(ラボラトリー)」による、おもに男子小学生を対象とした意識や流行に関する調査結果を発表しています。ぜひこちらもお読みください。
コロコロコミック研究所
| 概要 | 男子小学生のリアルを定期レポート |
| ターゲット | 男子小学生 |
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