暮らしのあらゆることに関わる料理を通じて、仕事への取り組みが深まったと感じる。『kufura』佐藤明美編集長インタビュー

2022/10/04

生活実感のある記事とクオリティの高い動画が特徴の「暮らしのメディア」です

佐藤明美編集長は千葉大学看護学部卒。看護師と保健師の資格を持ち、医療看護系出版社の編集者を経て、1995年に小学館入社。女性メディア局で『CanCam』『美的』『Oggi』等のファッション・美容雑誌を担当し、2015年に『AneCan』編集長に。2018年『kufura』の本格ローンチに合わせ、編集長に就任。

自分たちが実際に使ってみたうえで書く記事が大好評

子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるウェブメディア『kufura』。読者の中心は30〜40代の仕事を持っているパパママです。料理、掃除、収納、片づけなどの家事や子育て、健康、家庭行事、住まいに関することなど、暮らしにまつわる幅広い情報を発信しています。

「扱っている内容はわかりやすい言い方をすると『大人の家庭科』です。きちんと教わってこなかったけれど日々必要なことであり、読者は自分や家族の暮らしを心地よく整えたい方たちだなというのは強く感じております。具体的に言うと、安いからとか流行っているからとかでものを買うことはなく、それが“自分の暮らし方にフィットするかどうか”を考えたうえでお財布を開く人たち。たとえ高価なものでも、価格に見合った本当にいいもので、今の自分の家庭に必要であれば取り入れる、という傾向が非常に特徴的だなと思っています」

記事の配信は毎日5本がベース。最大の特徴は「自分が使ってみてどうだったか」という生活実感のある記事で、執筆者はどういう立場の人かも明確にしています。

「ネットの記事が玉石混交というのはもう常識で、その中でこの記事は信用できるのか、それともただの提灯記事なのかということも、皆さんわかるようになっている。ですので私たちは基本的に“誰が書いたのか”がわかるように、記事を作っています。例えば管理栄養士の方が自分もお弁当作りをした経験上、これは食中毒の危険がありますという記事は、本当にそうだなと納得してもらえる。また一軒家の人が言っているのか、マンション住まいの人が言っているのかで、自分の家にフィットする商品かどうかが全然違ってくるので、記事の執筆者の住まい状況も明らかにします。暮らしのメディアであるということを考えると、単に製品情報だけを紹介するのはあまり意味がないし、読者に響かないと思います」

とくに人気の高いカテゴリーは、『kufura』編集部のスタッフが使ってみてよかったものを平日の毎日公開する「本日のお気に入り」という連載です。

「それがどういいのかを、実際に使っている状況を説明しながら、記事の執筆者の自宅で撮影、紹介しています。価格も必ず記載していて、高い安いに関係なく、非常に読者の反響がいいですね。読者の手間を省くため、その商品が買えるアマゾンや楽天のリンクもつけていることも多いですが、実際にそこからかなりの数が購入されています」

リアルなコメントと動画のスキルがタイアップの大きな訴求力に

「本日のお気に入り」は非常に好評であることから、2022年春よりタイアップメニューに加わりました。

「タイアップの場合も、その商材を実際に使用する期間を2週間ほどいただいて、使い心地を試したうえで記事を書き、執筆者の自宅で撮影します。ハウススタジオなどではなく一般家庭で撮る理由は、読者が自分の家にそれを置いたときにどうなるのかが想像しやすく、そのことが購入につながると考えるからです。また“使用実感をもとに書くと”いう私たちのやり方は、タイアップでも変えていません。ですので例えばシャンプーの場合、少しきしみますというようなことも書く。ただ、きしむけれども、こういうふうに使うとこうよかったとか、使い続けていくうちにこうなりましたという実感をリアルにきちんと伝えることが、読者に響くと思っています。クライアントさんにもそういうことを理解していただいたうえで、ご紹介ということになります」

『kufura』ではどういうタイアップでも、使用実感のあるコメントを載せることが基本。賃貸住宅のタイアップでは、実際にそこに住んでいたライターを探し、また住み替えを考えているご夫婦にヒアリングして記事を作成しました。

「基本的に記事の主語は『私たち』とか『自分』で、『この商品は』みたいな言い方はあまりしません。タイアップでも『私たちは』というふうに表現できることが、やはりうちのメディアの強みかなと思っています。使ってみてどうかという“コスパ感覚”は、お財布を開くうえで一番重要ですし、今は皆さん、そこが本当にシビアになっているので、使用実感は大事だと思います」

その商材をどこに置くといいかということまで紹介するのも特徴で、それが購入を促す力となっています。

「例えば洗剤ならジェルタイプなのかボトルごと買うタイプなのか、使うときにはかがむのか立ったままなのかといった特徴によって、どこに置けば動線がいいかが違ってきます。その商材を家庭に入れたときにどうすれば使い勝手がいいかという提案まで含めて紹介するのが、暮らしのメディアの役割かなと思うんです。ですので洗剤なら、こういうマグネットボックスを洗濯機につければそこにぴったり収まりますというような収納の仕方も、併せてご紹介しています。うちのスタッフには整理収納アドバイザーの方も多いので、そういう提案が得意ですし、それがあることで読者が購入を決める一押しになっていると思います」

また動画に強いメディアであるということも、タイアップにおける大きなポイントです。

「『kufura』のInstagramのフォロワーさんは約38万人、YouTubeのフォロワーさんは約4万5千人。そこに動画でアプローチする効果は高いと思います。とくに生活商材に関しては動画でご紹介したほうが圧倒的にわかりやすいですし、近年Instagramのリールという動画形式が非常に強くなっていることもあり、タイアップも動画で、というご要望が増えています」

最大の強みはInstagramやYouTubeなどのプラットフォームに合わせて動画を作り分け、納品できるということ。サイトの立ち上げ当初から、いずれ動画の時代が来ると、動画のスキルアップに取り組み、データや知見を積み上げてきたことが成果を上げています。

「例えばYouTubeだと、何パーセントの人がスタートから何分くらいまで見て、何分くらいで離脱してしまうかといったデータを取っておりますので、大事なポイントは何分何秒までに入れるとか、データに基づいた構成が可能です。クライアントさんが一番言いたいポイントは何なのかを理解したうえで、それに沿ったコンテを作れるかどうかが問われていると思います。同じ商材で動画を作るにしてもYouTubeだったらこういう編集、Instagramのリールだったらもう少しコンパクトにするなかで、どの要素を入れてどの要素を省くのかといったご相談を編集者自身が提案できるということ、そういった動画の知見があることが大きな強みですね」

またFMラジオ局のJ-WAVEで生放送番組を持っていた経験もある佐藤編集長の話術をいかした、インスタライブのタイアップも好評です。

「非常に反響がよかったのが、キッチン商材のメーカーさんのショールームからのライブ配信です。私がショールームの方と話しながらいろいろご紹介して、読者の方から質問がきたらその場で投げかけて解決する、という座組みで展開しました。ショールームは入りづらいという人が多いんですが、これなら自分が行った気持ちで見られますし、質問を受けられるということは、クライアントさんにとってもいい機会だったのではと思います。自社の商品をインスタライブで紹介するのは今や当たり前の手法ですが、そこにメディアが加わることでまた別の目線を入れることができ、より多くの方々に訴求できます。うちのフォロワーさんとクライアントさんがお持ちのフォロワーさんの両方に配信できるのもメリットですね。その場でインタビューをしながら何かをご紹介することは、これからもやっていきたいと思っています」

今後の展望としては、インスタライブも含め、読者とコミュニケーションを取れるような形を増やしていきたい、またプロの編集者ならではのコンテンツを極めたいとのこと。

「もともとInstagramでは読者のコメント全てに返事をすることにしていまして、大変ですが一年365日欠かさずやっております。こうした読者とのコミュニケーションが信用になり、フォロワーを増やすことにもつながってきました。メディアから一方通行に発信するのではなく、フォロワー・読者の皆さんとコミュニケーションを取りながら“一緒に暮らしを良くしていこう”という姿勢が大事だと思うんです。そして出版社のメディアとしては、プロの、経験豊富な編集者が作るからこそできるタイアップをより追求していきたいですね。その商材のどこがどう優れているのかを見つけることもプロの目ですし、インスタライブにおける読者の方とクライアントさんを結びつける力や、動画の作り方、切り口のご提案などもプロの編集者としての知見だと思います」

趣味は料理という佐藤編集長。キッチン収納や掃除、買い物、食材を無駄にせずフードロスをなくすことなど、暮らしのあらゆることに関わる料理を通じて、仕事への取り組みが深まったと感じるそうです。暮らしのメディアとしての強い自負を抱く佐藤編集長のもと、『kufura』のさらなる情報発信力にご期待ください。

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