紙であることを最大限生かせる媒体だと思うので、紙の存在価値を高めていきたいです。『ベビーブック』高橋知代編集長インタビュー

2025/05/09

育児に熱心なママパパを応援し、親子のプライスレスな時間をサポートします

高橋知代編集長はファッション誌の編集を経て、2007年、小学館に入社。ビューティー担当として『Oggi』『Domani』を経て、第三子出産後、三児の母という経験をいかしたいと2017年に『ベビーブック』に異動。幼児誌編集部体制の中、『めばえ』や増刊号などにも携わり、2024年10月、編集長に就任。

子育て初心者が読んで安心できる記事、使いやすい企画構成に

「『ベビーブック』読者のお子さんは第1子が8割で、2歳前後がコア層です。保護者は30代前半が一番多く、次いで20代後半と30代後半。今は無料の動画や配信など、育児に関する様々なサービスがある中、雑誌を選んでくださっている保護者の方々は、本当に一生懸命子育てに取り組んでいらっしゃるという印象です。別冊につけているハガキのアンケートとWEBで毎号3000通くらいの回答があるんですが、皆さん非常に熱量が高く、ご意見やご希望の欄にびっしり書き込んでくださっていて、熱心なご家庭が多いなと感じます」

「皆さん熱心で真面目なぶん、子育てに対する不安も大きいと思います。そんな親御さんに寄り添う形で、育児特集はこうしなさい、ああしなさいではなく、こうすれば大丈夫だよというトーンで、親御さんが読んで安心できる記事を目指しています。また、最初は子どもとの遊び方もよくわからないですよね。子どもにこういう声かけをするとこう繋がっていきますよというように、非常に丁寧に作っています。

親子ともども初めてのことばかりの読者に、誌面や付録を通じていろんな体験を提供したい。親子一緒のプライスレスな時間をこれによって紡いでもらいたいと思っているんです。『ベビーブック』は紙の雑誌ですが、モノではなくコト、単なる情報ではなく体験を提供しているんだという意識でやっています」

小学館の育児メディアを連動させたタイアップやイベントは訴求力大

「本誌では新しいキャラクターの登場やキャラクターのリニューアル、映画化などに際し、キャラクターのカード付録をつけるなど、メディアとしてIPの一層の浸透を図るお手伝いをさせてもらっています。また、もうすぐ創刊60周年の『ベビーブック』は、これまでにいろんなジャンルの専門家の先生と一緒にタッグを組んでやってきているので、育児特集連動のタイアップでは商材に合った監修の先生をこちらでアテンドできます。例えば、おもちゃなら、数学脳を育てましょうというような切り口で脳科学の先生と組んで記事を作成したり。別冊は保護者の方に熱心に読まれているので、訴求効果は高いと思います」

「あとはイベントですね。3月に『小学館&あんふぁん ぎゅって こどもフェスティバル』というイベントを開催し、事前抽選で約1万人の親子に来場いただきました。子どもたちに大人気のパウ・パトロールのショーやビッグバルーンのフォトスポットなど、キャラクターを活かした集客力がうちの強みなんですが、ともかく盛況で、ブース出展していただいたクライアントさんは、おもちゃや食品、文具のメーカーさんや飲食関係、幼児教育、鉄道、省庁、自治体など、多様なジャンルから約50。各々のキャラクターの子どもへの浸透を図り、着ぐるみもたくさん出ていて楽しかったです。

未就学児のイベントは少なく、親御さんに直接訴求できるのは魅力だと思いますが、クライアントさんには、非常に上質なお客さんに来ていただけた、熱心に話を聞いてくださる方が多かったと喜んでいただきました。タイアップ記事に加えてイベント出展という形で実際に商材をアピールする場を提供したり、小学館の幼児誌やグループメディアを合体させたタイアッププランが増えています」

「少子化で子ども向け市場が縮小していく中、海外進出も視野に入れてW表記に挑戦しました。『First』読者の親御さんは、0歳から子どもに雑誌を買い与えるという方々なので教育に熱心なご家庭が多く、英語も取り入れることで1冊の読み応えや活用範囲が増えて、満足度が高まるのではと思っています。ただ、特に英語を〝推している〟というより、W表記はナチュラルなものとして、『First』の元々のコンセプトである〝脳と心をすくすく育てる〟というところに重点を置いた形で作っています」

「『ベビーブック』は1歳からなので、0歳から取り込みたい商材には『First』が適していると言えます。オムツ周りの商材のほか、ベビーに特化したスキンケアグッズや0歳からのおもちゃ、0歳から始めたい幼児教育などですね。別冊は2025年夏号から育児特集をさらに強化して、より保存性の高いものにしていきます。表紙や判型も少し変えて、毎号ついてくる別冊というよりは育児のガイドブックという形にすることで、読者にずっと長く手元に置いてもらおうと。繰り返し読んでもらえれば、タイアップ効果も上がると思います」

様々な事業者と一体となって、子育てしやすい環境づくりを目指したい

「とにかく少子化の時代、自分のところだけで何かをするのは厳しいと思うので、異業種同士を繋げるじゃないですけど、企業さんや自治体など、いろんなところと一緒になって新しい商品を開発、展開したり、育児アプリを作ったり、その枠組み作りにうちが持っている知見やIPをうまく使って、子育てしやすい環境を整えていきたいですね。

あと、『ベビーブック』は祖父母の方が買ってくださるケースもすごく増えているんです。だったら、子どもと一緒におじいちゃんおばあちゃんが付録を作ったり遊んだりすることで、子どもの育脳とともにおじいちゃんおばあちゃんの脳活にもなるというようなことができないかなと。子ども世代と高齢者世代は紙媒体と相性がとてもいいので、そこを組み合わせて何かおもしろいことができればいいなと思ったりもしています」

「紙の付録は組み立てる労力や時間から面倒くさいと敬遠されがちですが、その面倒くささを『だから楽しい』という価値観にシフトしたいですね。私は女性誌から幼児誌に来て、紙でこんなにいろんなことができるんだとすごく驚いたんです。1枚の紙からいろいろ作れて、サスティナブルだし、手先をしっかり動かして組み立てて遊ぶことは、想像力も膨らませられて、子どもの脳の発達にとても大事。この先、紙は古いものではなく、『じつは一番新しい』という価値観で提案できる時代が来るんじゃないかと思っています。幼児誌は紙であることを最大限生かせる媒体だと思うので、紙の存在価値を高めていきたいですね」

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