20代向けの媒体らしく、時代の流れをいち早く読み取り入れてきた歴代編集長たちのマインドを引き継ぐ『CanCam』安井亜由子編集長インタビュー

2022/09/13

40年の歴史をベースに、時代を象徴するキーワードを創出し続ける

入社後、新入社員で『CanCam』に配属され、当時の専属モデルである蛯原友里・押切もえ・山田優が大ブームになった時代を知る安井亜由子編集長。その後『Oggi』へ異動、デスクとして『CanCam』に戻り、さらに『Oggi』に副編集長として戻った後に、2019年より現職に。

“私らしさ”を大切にする世代に、さりげなく寄り添い垢抜けさせる

1981年創刊で2021年に40周年を迎えた『CanCam』は、00年代には発行部数80万部に達し、20代のバイブル的存在に。現在も変わらず、『社会人になったらCanCam』のキャッチフレーズで、ファッション、美容、ライフスタイル、エンタメという旬な情報を発信しています。

「メイン読者は23歳で、ちょうど学生から社会人になります。環境だけでなく、恋愛など人生でも大きく変化を迎える世代。そんな読者が、大人っぽく“垢抜ける”ための方法を誌面づくりに反映するよう心がけています。紹介しているファッションは社会人にふさわしい、上品シンプルできれいめなスタイルです。そのほかの企画も、20代の興味あることがすべて詰まっている、バラエティマガジンとも言えるのがいまの『CanCam』ですね」

この世代の最大の特徴は、SNSを駆使し、自分好みの情報を得ること。入社以来『CanCam』に長く携わる安井編集長も「ファッションは世代によって変わるため、私個人の好みや年齢と結びつけずに考えないといけません」と、常に俯瞰した視点をもちながら、毎号、制作しています。

「いまの20代に響く言葉のひとつが“私らしい”です。好みの多様化もありますが、なによりも誰かにこびることなく、自分を大切にしているので、どんな服でも“好きで着ている”んですね。私が最初に『CanCam』編集部に配属されたころのイケイケでモテが大事だった時代と現在は大きく異なります。その上、みんな自分のことをよく知っているんですよ。骨格がウェーブなのかストレートなのか、肌はブルベかイエベか。そのため自分に似合わないものを着る、持つことはしません。流行っているからと編集部が押しつけない、読者が自分に似合うものを選べるような見せ方をする編集方針です」

そのため、主軸のファッションも「ストーリー性」を重視。

「読者自身がスマホで日々得ている情報量が膨大なので、ファッションの写真はストーリーが想像できるように撮っています。いまやコーディネート例はネットで拾える情報なんですよね。『CanCam』という紙だから見ることができる写真になるよう、ロケ場所や撮り方に付加価値をつけることをポイントにしています」

人を主軸にメディアの垣根を超えた企画を打ち出す

『CanCam』を支えるのは、媒体史上最多13名という専属モデル。トラウデン直美、中条あやみ、生見愛瑠、山下美月(乃木坂46)、加藤史帆(日向坂46)、佐々木莉佳子(アンジェルム)など、顔ぶれがバラエティに富んでいます。圧倒的なモデル数があるからこそ、昨年実現したタイアップ企画があります。

「40周年を祝うオンライン配信イベント「CanCam 40th Birthday Night」では、表紙出演をかけて、専属モデルが3チームに分かれて“知力(CanCam雑学)”“体力”“モデル力”の3つのジャンルで真剣勝負。総リアルタイム視聴者数は5万人超えで、多くの方に観ていただけました。そのイベントで優勝したチームが表紙を飾る際に、GU様とタイアップのお取り組みをさせていただきました。これは、表紙からカバーガールの特集ページ、続くタイアップページまで、巻頭17ページをGUさんがジャック。さらに、誌面で紹介させていただいたアイテムを、ライブコマースで表紙モデルの1人が登場して、実際に着用しながら紹介する、という企画でした。イベントを起点に、雑誌、WEB、ライブコマースへと多様なストーリーが展開され、企画に奥行きが生まれ、ファッション誌の新しい魅せ方をできたと思います。これもやはり、専属モデルの人気があってこそ。イベントを視聴してくれた読者たちは、『ついに(自分の推しの)あのチームの表紙が来た!』と喜んでくれるので、普通に表紙を飾るよりも注目度が高く、表紙そのものをイベントごと化できたのがよかったと思います」

リアルでもオンラインでも、イベントを絡めて多角的に読者にアピールできる強みがある発見でもありました。

「ファッションのみならず、ライフスタイル系や旅行、インテリアや家電など20代にアピールしたいことを作れる媒体だと実感しました。誌面、SNS、動画などいろんなメディアを展開しているので、タイアップはまずご相談いただければ、既存の枠にはまらない新しい視点の企画を提案できると確信しています」

上位入賞者が本誌掲載となるライブ配信アプリ系のタイアップも人気で、いまも“憧れられる”媒体であることが証明されるなど、紙✕他メディアの実績も着々と増えています。また、もうひとつの強みにエンタメに強いことが挙げられます。男性が表紙の特別版はほぼ毎月出しており、そのうち約半分が完売。

「コロナ禍で外出の機会が減ったことでファッションへの興味が薄まり、消費欲が“推し”に移ったんだと思いました。モノよりも“人の時代”なったので、その点を加味しての誌面づくりにも力を入れています。『CanCam』に載っている俳優やアイドルの写真は間違いない、ひと味違うぞ、という信頼感を持ってもらえると、推しきっかけで本誌を購入する流れができます。タッチポイントを増やすことが雑誌購入のキッカケになることもわかりました」

20代向けの媒体らしく、時代の流れをいち早く読み取り入れてきた『CanCam』歴代編集長たちのマインドを引き継ぐ安井編集長。

「40年という歴史とともに、今後はもっと仕掛けることを手がけていきたいです。数年前の“インスタ映え”ブームのときに「ナイトプール」を始めたように、人を育て、事業として成立させながら、時代のキーワードになることを発信したいですね」

読者世代が“楽しい”と思える場を作り、それを活用して、物や人をプロデュースできるパワーがあるのが『CanCam』。本誌とウェブとリアルイベントの組み合わせは次のトレンドを生み出す、大いなる可能性を秘めています。

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