紙とデジタルの強みを掛け合わせ、CanCamブランドの新たな価値創造をしていきたい。『CanCam.jp』加藤真実編集長インタビュー

2022/09/20

デジタルの各プラットフォームを連動させて、立体的な表現を追求する

他社の女性向けカジュアル雑誌の編集者を経て、小学館に入社。『AneCan』創刊メンバーとして同誌に7年間携わり、『Oggi』で部員とデスクを経験後『CanCam』に戻り、副編集長に就き、2020年から『CanCam.jp』を担当する加藤真実編集長。育休を経て仕事に復帰した、働くお母さんでもあります。

紙媒体からウェブ、ウェブから紙へ、相互に広がるコンテンツ

20代向けファッション誌『CanCam』らしく、小学館内でも早い段階からウェブが立ち上がっていたのが『CanCam.jp』です。

「2017年にはスタートしていたので、私が編集長として入った2020年時点ではスタイルができていました。とはいえ、その時代から比べると、インスタやYouTube、TikTokなど若い世代が夢中になるSNSがどんどん拡大していったり、最近はPVを追い求めることからUUを重視する流れができてきたり、と変化をしています」

CanCam.jpのターゲットは本誌と同じくアラウンド25歳。部員は本誌とウェブ兼任のため、本誌と連携をとったコンテンツも多くなっています。

「本誌の台割を検討する段階でウェブも入り、こちらではどのように展開するかを決めています。例えば、話題の著名人が登場する場合は、誌面と同時にウェブ用のインタビュー取材とバックステージ動画を撮影することを決めておいたり、ファッション企画で誌面に載りきらないアイテムやネタをウェブで展開するなど、早い段階で計画を練り行っています」

スタート時期が早かっただけにサイト運営もスムーズで、時代に合わせてアップデートしながら日々のコンテンツが配信されています。

「『CanCam.jp』では1日30本前後の記事を配信していて、そのうち転載は20%程度で、ほとんどがオリジナル記事です。ネットの特性を活かしたのは『骨格診断チャート』、人気なのは私物や自撮りで本誌とは異なる見せ方をしている『おしゃれプロのお買い物日記』ですね。リアルさや身近さを感じるコンテンツを読者が求めているんだと思います。ほかに、人気芸人のぼる塾さんの連載『思い、思われ、食べ、ぼる塾。』も好評です。ぼる塾のみなさんは文才に長けていて本当に内容が面白く、Yahoo!などの外部配信でも非常に人気の高いコンテンツです。テキストの面白さで読者を惹きつけるというのはウェブならではで、ウェブで連載して書籍化という流れを、今後もっと作っていけると思います」

デジタル展開はウェブサイトに留まらないのが現在の常識。『CanCam.jp』から派生するのは、YouTube(6.7万人)、インスタ(18.8万人)、ツイッター(14.8万人)、TikTok(1.5万人)、Facebook(2万8469人)で、女性誌のなかでは上位にマークするフォロワー数を獲得しています。

「YouTubeをしっかり運営していることが強みですね。2021年冬に本誌が40周年を迎え、専属モデル13名大集合のYouTube生配信イベントを行いました。2時間半ほどの生配信で、専属モデルが運動会をしたり……とバラエティ要素に富んだチャレンジングな内容だったのですが、同時視聴数36万人とかなりの盛り上がりを見せました。このように公式YouTubeチャンネルでは、モデルの私服やバッグの中身、スタイリストのコーディネートなどをコンスタントに配信していますが、なんとなく見たら『CanCam』だったというケースで本誌やウェブに戻ってくる読者もいらっしゃいます。また、情報発信の役割を担っていただいている読者組織のCanCam it girlの垢抜けメイク動画なども人気で、ますます活用していけるメディアと考えています」

この強みに加え、インスタグラムの活用にも長けています。

「インスタではまたYouTubeとは趣向の異なる、短尺のリール動画が最近は人気で、専属モデルや男性ゲストのオフショット動画を編集部のスタッフが撮影・動画編集し公開しています。YouTubeでは情報密度がしっかりある長尺の動画に反響がありますが、インスタでは直感的でサクサク見ることができる動画に反響があります。また、普段雑誌で見ているモデルが動いているところ、話しているところを見てもっと好きになった! というような、専属モデルの新たなファン獲得にも動画を活用させています。そして、各SNSの情報をお知らせして拡散するために活用しているのがツイッター。『CanCam』ブランドのSNSを連動させて、立体的に情報を発信できるようにつとめています」

媒体クオリティでタイアップ、コンテンツを提供する

読者との距離を縮める『CanCam.jp』、各種SNS。ネットの速報性と拡散力、そして動画で見せられるのは、タイアップにも有効的です。

「YouTubeではキャンメイク様とのタイアップで、新作コスメを使ったメイク動画の制作を何度か実施させていただいています。ウェブと本誌の部員が同じなので、紙でもデジタルでも変わらず、信頼性の高い、そしてかわいい世界観のコンテンツ制作をできることが強みだと考えています。動画の場合、写真だけでは伝わりにくい箇所も細かく見せられるので、メイクコンテンツとは相性がいいんじゃないでしょうか? ほかにも、受託制作を手がけることがあり、アパレルのArpage story様のWEBコンテンツ制作を継続して実施させていただきました。クライアント様の希望に寄り添い、希望を叶えるため、『CanCam』の編集スキルはお役に立てることが多いと考えています」

これまでインフルエンサーやPR案件とされていた分野を、『CanCam』クオリティで制作できるチームがいるのは、他社にない大きなアドバンテージです。

「制作・掲載して終わりじゃなく、購買層である20代にどう広めるかまで考え、デジタル、雑誌、ときにはイベントなども絡めて提案することができます。話は逸れますが、イベントといえば、東京プリンスホテルとの協業企画『CanCamナイトプール』を3年ぶりに復活させましたが、集客は2019年を上回る好調ぶりです。どんな人でどんなことをすれば、20代が認めて購入動機になるのかも本誌の経験からわかる部分もあるので、モデルやインフルエンサーにしても、この商材だったら、どんな人でどんな切り口の企画をすれば反響を得られるかを冷静に見極められるのは強みだと思っています」

加藤編集長の小学生の娘は、着せ替えアプリを日常的に使っているという。10年後の読者世代の好みを間近で見ている日々のため、「ファッションや美容を楽しむ方法はますます多様になっていくんだろうなと感じます。紙とデジタルのそれぞれの強みを掛け合わせ、『CanCam』ブランドとして新たな価値創造をしていきたいと思います」と、現在と次世代に向けた展開を見すえて、ウェブメディアの可能性を模索しています。

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