AEDの使い方を学べる付録が、画期的で大人にも勉強になると大反響! 日本光電工業/『幼稚園』のコラボ事例をご紹介
2024/11/21
目次
メディアやSNSの注目度も高いコラボ付録で、大きな話題を創出
救急現場や検査、診断、手術、治療などで活躍する医療機器メーカーの日本光電工業株式会社が、『幼稚園』とコラボレーションした事例を紹介します。
2024年8月30日発売の『幼稚園』10・11月号の付録「おやこで! AEDたいけんセット」は、日本で唯一国産のAEDを開発・生産している(2024年11月現在)日本光電の監修により、本物そっくりなデザインと音声ガイドで、AEDの使い方を実践的に学べる仕組み。画期的な付録として多くのマスメディアに取り上げられ、SNSでも「精巧で完成度が高い」「子どもだけでなく大人にも役に立つ」などと大きな話題に。一般の人にはあまり馴染みがない日本光電という会社の認知度アップにも貢献しました。
そこで、日本光電・国内事業本部 AED 営業部 事業推進課の小関晶子さんに、今回のコラボの経緯や反響、感想などをお聞きしました。
「身近な救命教育の普及」という目指す方向性の合致によりコラボを決定
AED(自動体外式除細動器)は心臓の痙攣による心停止で倒れた人などに電気ショックを与え、心臓を正常なリズムに戻す医療機器。日本では2001年に日本航空の国際線で医療現場以外への導入が始まり、客室乗務員や救急救命士に続いて、2004年7月からは一般市民もAEDを使えるように法整備されました。
「当社は2002年にAED事業を始め、最初は海外メーカーのAEDをOEMで製造販売していましたが、2009年に国産のAEDを発売しました。当社のポリシーとして、AEDを販売するだけでなく、適切に使える人を増やしたいことから、2004年から心肺蘇生とAEDの講習会を行っています。また、東京マラソンをはじめとするスポーツ大会やイベントにAEDを貸し出しているほか、AEDの情報サイトを開設して情報発信に努めています。医療機器は医療従事者が使う専用の機器で使い方が難しそうという印象があると思いますが、AEDは決して難しくなく、幅広い層の方々に用途を知っていただきたい、身近に感じていただきたいと考え、『かえでちゃん』というAEDキャラクターも作っています」
AEDの普及や啓発に取り組む日本光電が、幅広い層へのAED教育を目指していたところに、『幼稚園』からコラボ企画の打診が。現在、AEDは駅や空港、学校、商業施設などさまざまな場所に設置されてはいるものの、大人でもAEDに触れたことがない人が多く、使い方も周知されていません。親子で遊びながら一緒にAEDのことを学び、命の大切さを考えるきっかけになれば、という思いが『幼稚園』編集部にありました。
「当社としても、小さな頃からAEDに親しんでほしい、そして、いざというときにAEDを使ってほしいと考えており、身近な救命教育の普及という目指す方向性が『幼稚園』さんと合致したことから、今回の企画に全面協力することになりました。当社のデザイン部門や技術部門、企画部門などの担当者でプロジェクトチームを発足させ、いろいろな面から監修させていただくことになりました」
なるべく本物に近く、幼児にわかりやすいことを念頭に付録を制作
コラボを進めていく上で一番の課題となったのは、音声ガイドについてでした。
「音声ガイドの内容は、『幼稚園』の付録チームの方とかなりディスカッションを重ねました。一般の方が確実に使えるよう、当社のAEDの音声ガイドは丁寧に時間をかけて使い方を説明しています。しかし、付録の音声ユニットの音声搭載時間は限られていて、小さいお子さんは長く集中して音声を聞くことができないということもあり、最初は15秒以内に収めたいということでした。しかし、15秒では大事なことを伝えられない。そこで、これは削ろう、ここは残そうなどと話し合って、ギリギリ30秒に収めました。そこが一番苦労した点で、どうしたら伝わりやすいかを『幼稚園』の方と相談しながら詰めていきました」
その結果、本物と同じ音声を使って、30秒の中でAEDの操作として重要な部分を削ることなく、幼児が聞いてもどう使えば良いかがわかる内容に編集することができました。
「音声ガイドと見た目はなるべく本物に近く、ということだったのですが、付録のデザインの完成度の高さには驚きました。当社のAEDは街中でも目に付きやすいオレンジ色。そして一般の方が使うことを考えて、丸みを帯びたやわらかい印象のデザインですが、そのアールの部分を紙の組み立て付録でよく再現できたと、デザイン部門の担当者も感心していました。レバーを引くと蓋がパカッと開く仕掛けも、輪ゴムなどを使って本物の装置をうまく再現していて、本当に精巧にできています。あと、電気ショックの前後で必要になる胸骨圧迫(心臓マッサージ)の練習ができるのも良いですね」
『幼稚園』では付録と連動した特集記事を組むのが定例で、記事ではAEDの使用が必要な状況や使い方の流れなどを、幼児にも理解しやすいストーリー仕立てで解説しています。
「記事についてもいろいろ話し合いました。2024年は一般の人がAEDを使えるようになって20年。その20周年のシンポジウムに『幼稚園』の編集部の皆様も参加されました。そこで『命の大切さ』をメインに構成しようということになったと聞いています。特集記事の内容は小さいお子さんにもとてもわかりやすく、そこはやはり『幼稚園』さんの編集の力だと思います」
大きな反響により、オレンジ色のAEDと日本光電への認知度がアップ
AEDの付録はさまざまなメディアで取り上げられ、SNSでも大きな話題となりました。
「多くのテレビや雑誌、WEBなどで取り上げていただいて、SNSでの反響も大きく、マスメディアの力って本当にすごいと思いました。当社は医療機器メーカーですので、通常はマスコミに取り上げられることは少ないのですが、たくさんのメディアで紹介いただいたおかげで、オレンジ色のAEDを作っている日本光電、と認識いただけたようで、とてもありがたいです」
メディアやSNSで話題になったことで、『幼稚園』10・11月号は発売後すぐに完売。
「反響として驚いたのは、当社のコールセンターに、『幼稚園』が売り切れていて買えないので再販してほしい、というお電話があったことです。当社からは販売をしていないため困りましたが、『幼稚園』の付録が日本光電のAEDだと認知いただけているのは非常に嬉しく、良い思い出になりました。医療従事者の方には知られていても、一般の方にはあまり馴染みがない日本光電という会社に親しみを持っていただける機会になったと思います」
社内での反響もたいへん大きく、「とても精巧だ」「非常によくできている」といった声が多かったとのこと。
「当社の社員にも非常に人気でしたが、お子さん用というだけでなく、救命やAEDに興味を持っている一般の大人の方にも購入いただいたと思います。雑誌の発売のタイミングも良かったですね。最初にコラボのお話をいただいたのが2024年3月頃で、発売時期はAEDが一般の人でも使えるようになった7月1日か、もしくは、救急の日の9月9日に合わせよう、という話になったのですが、7月には間に合わないため、9月9日に向けて進めることになりました。AEDが一般の人でも使えるようになって20周年記念であり、救急の日に合わせた企画ということからも、メディアに取り上げられやすかったと思いますし、話題が話題を生んで大きな販売に繋がったのではないでしょうか。当社としても『幼稚園』の話題の中でAEDや日本光電の名前が出てくるのは本当にありがたく思っています」
最後に、今回のコラボについての感想と今後の展望をお聞きしました。
「私たちはこれまで、小学生にAEDの使い方を学びましょうということは言ってきましたが、そこを飛び越えて幼稚園の園児に向けて啓発することは非常に画期的でした。まさに私たちが目指していた幅広い方々への身近なAED教育につながると思いました。『幼稚園』の付録で遊んだ子どもたちが、救命に興味を持ち、いざというときに自信を持ってAEDを使用してもらえることを非常に期待しています。現在、日本全国に60万〜70万台のAEDが設置されているにも拘わらず、使用率は4.3%と非常に低いですので、多くの人が自信を持ってAEDを使える社会になればと思っています。私たちも引き続きお子さんにも大人にもAEDをより身近に感じてもらえるよう、救命教育の普及のお手伝いをしていきたいですし、何か救命教育ツールのようなものも作れたら良いなと考えています」
完成度の高さからメディアに取り上げられることが多い『幼稚園』の付録。ただ遊んで楽しいだけでなく、子どもたちの学びに繋げているのも特徴で、今回のコラボレーションはまさにそうした『幼稚園』の付録の力を活かした事例です。子どもたちに知ってもらい、親しんでもらうことは、将来の展望に大きな意義を持っていると言えるでしょう。
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