介護を前向きに捉えられるような、役に立つ情報を広めていきたい。『介護ポストセブン』関和子編集長インタビュー
2022/07/26
当事者目線の発信で、本当に役立つ情報を伝えたい
第二編集部(現・第三・第四コミック局)で『マイファーストビッグ』の立ち上げや『美味しんぼ』関連の単行本編集を経て、2010年よりポスト・セブン局アドバトーリアル室に配属。企業とのコラボ企画やタイアップ記事の作成に携わる。2016年、『介護ポストセブン』のローンチによりアドバトーリアル室長と編集長を兼任。
介護に関わる幅広いニュースや信頼できる情報を発信中
2016年にローンチしたウェブメディア『介護ポストセブン』。人生100年時代に寄り添う介護のリアルな情報や知恵を中心に、健康や暮らしに関わる幅広い記事を発信。介護ニュースサイトとして国内最大級規模を誇ります。
「読者の中心は親の介護を身近に感じている30〜50代、または自分ごととして捉えている60代以上です。“ヤングケアラー”という存在が最近注目されてきましたし、“孫介護”という言葉もあります。今や、介護は、世代を問わず、多くの人たちにとって関心のあることになってきたのだと実感しています」
記事の発信は1日3〜5本。『週刊ポスト』『女性セブン』の記事をもとにしたものが6割、サイトオリジナルのものが4割という割合です。
「週刊誌の特集記事は時間をかけて取材をし、しっかりしたエビデンスのあるものなので、そのよさはそのままに、ウェブ記事として読みやすいよう小見出しや画像などのビジュアルを工夫しています。一方、オリジナル記事では、連載を中心に介護体験や、いつまでも元気に暮らす秘訣など、人生100年時代に役立つ企画を幅広く紹介しています。高齢になられても第一線で活躍されている高木ブーさんや毒蝮三太夫さんのインタビューや、若年性認知症のご家族を介護する執筆者が日常をリアルタイムに綴るエッセイ、認知症の母との暮らしをほのぼの描いた4コマ漫画など、連載はとても人気があり、固定の読者さんが毎回欠かさず読んでくださっているようです」
記事毎に設置したコメント欄には多くの書き込みがあり、介護者の「誰かに話したい」気持ちが強く感じられると関編集長。個人の介護経験や、介護体験記事に対するアドバイスも多く、みんなで介護を乗り越えましょうというような、ある種の連帯感があるいいます。
「介護中の方も介護を終えた方も、ご自身の経験をふまえた意見を書き込んでくださることが多いです。介護は本当にそれぞれのお家で事情が違い、各ご家庭で工夫をしたり、ご苦労をされていると思います。そういった経験談など長いコメントを寄せていただきますね。ご自身の介護を誰かに話したい、また自分がしてきた介護の仕方が誰かの役に立つのではと思っていらっしゃる人が多いと感じます」
熟練のスタッフと豊富な人脈、介護経験を生かしたタイアップ記事作りをします
長年タイアップ記事作成に携わる関編集長は、そのノウハウや実績を『介護ポストセブン』の記事作りに生かしています。
「私は、現在もそうなのですが、『女性セブン』『週刊ポスト』で12年にわたり企業とのタイアップ記事を作成しております。『介護ポストセブン』でもそのノウハウ、人脈を生かした記事作りをしております。スタッフも、タイアップ記事の作成に長けていますので、さまざまなバリエーションで企業のニーズに合わせたタイアップの記事作りをしています。また、著名人や識者のキャスティングも週刊誌でご協力いただいたときの人脈を生かし、さまざまな分野の方にご登場いただいています。」
関編集長を含め、編集スタッフには、介護経験者が多く、経験に基づいたリアルな声が生かせるのも強みの一つで、「編集長対談タイアップ」も実践しています。
「私自身が、数年前から親の介護が始まりました。実際に介護する中で、読者と近い視点で、どういうことに困っているのか、本当に役立つことは何かを常に考えながらメッセージを発信したいと思っています。介護の情報は、まだまだ知られていないことも多く、企業のかたとお話しする中で、新たな情報に触れると、私自身がまず『すごい、こんなにいいものがあったんだと』と感心し、早速試したいと思ったりします。その気持ちをそのまま、読者さんにもお伝えしたいと考えています。
実際、記事を発信しながらも、私が、今後も段階が進んでいく親の介護を不安に思ったり、日々起こるトラブルにどうすればいいだろうかと悩んだりすることも多くあります。それは介護をしている読者も同じだろうと思います。そういった心配や困りごとなどを解決するために役立つ記事を、読者の代表という気持ちで、専門家や識者にお話を伺いながら発信していきたいですね」
ほかにも、記者が実際に製品を試してみる「記者体当たり取材タイアップ」は説得力があり、イラストやマンガで商品を訴求する「コミック書き下ろしタイアップ」はわかりやすいと好評。『女性セブン』やS N Sと連携したタイアップも成果を上げています。
「安藤和津さんを起用した介護食品のタイアップ企画では『介護ポストセブン』に掲載と同時に『女性セブン』でも誌面掲載、さらにツイッターの配信をしました。大規模な広告企画でしたが、反響が非常に大きかったことが数値としても計測できました。
また、『女性セブン倶楽部』という3万人を超える会員を擁するメルマガ組織を活用して、『介護ポストセブン』でもアンケートを実施することができます。『女性セブン倶楽部』でのアンケートは回答率が大変高いのが特徴で、企業からリアルな声を集めたいというご要望にもお応えできます。アンケート結果をもとにした記事作成をし、最終的にはデータに基づくリポートも併せて提出する、そういったタイアップ企画の実施も可能ですので、是非ご相談ください」
週刊誌の企画で企業のヒアリングする中で、多くの企業が、人生100年時代を見据え、超高齢社会の課題解決に向けて、さまざまな取り組みを行っていることに触れてきたという関編集長。『介護ポストセブン』の立ち上げに際しては、こういった社会課題を読者と共に考え、有益な情報を伝えて、もっと介護に対してポジティブに向かい合おうというメッセージを発信していきたいと考えたといいます。
「タイアップ企画では、企業の訴求ポイントをきちんと伺い、どういう見せ方が一番読者に伝わるのか、じっくりご相談いたします。著名人のキャスティング、コミックやイラストでの展開など、これまで実施した企画での反響をふまえて、一番いい形でのご提案をしていきたいと思いますし、さまざまな引き出しを持っていることは強みであると自負しています。介護関連の商品やサービスに加え、いくつになっても元気に過ごすための体作りや、日常の健康に役立つものなど、幅広いジャンルで読者に紹介していきたいです」
読者が参加できるイベント開催を計画中
今後は、読者参加型のイベント開催をしたいとのこと。
「読者が気軽に参加できて、経験を語り合う『介護カフェ』のようなものをやりたいと考えていたんですが、コロナ禍で状況が変わってしまいました。リアルに参加いただくことはまだ難しい状況かもしれませんが、幸い、オンラインのインフラが整ってきましたので、それをうまく活用して、イベントの開催を計画中です。
人生100年時代を明るく前向きに生きていくには、どうしたらいいのか。読者の皆さんにとっても私にとっても大きなテーマです。私は介護のスペシャリストではありません。読者の代表であると考えています。これからも読者と共に悩み、解決法を考えながら一緒に歩んでいきたいなと願っています」
自身の親の介護について、最近気づきがあったことで、介護に対する思いを強くしたという関編集長。
「週末に離れて暮らす親のところに通う日々になり、最初は正直ちょっと面倒だなと思っていました。ところが、親が喜んでくれる顔を見たり、ひと言、ありがとうと言ってくれたりするのが、実は自分自身の元気の素にもなっているんです。私の作るご飯をすごく褒めてくれたり、うれしかったという言葉を聞けたりすると、なんだか自分が役に立つ人間になれたような気がして(笑)。介護は大変という考えばかりではないと実感しています」
少しでも介護を前向きに捉えられるような、本当に役に立つ情報の発信を広めていきたいと熱意を傾けています。
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