定性リサーチでわかったミレニアル世代の「パーパス消費」とは !?

2022/08/09

「SMP定性リサーチ ラボ」が始動! 「ファジーな気分」を読み取ります!

小学館のグループ会社である小学館メディアプロモーション(SMP)は、このたび「SMP定性リサーチ ラボ」を立ち上げ、定量リサーチだけではわかりにくい「ユーザーのファジーな気分」に迫ることでマーケティングに有益な考察と仮説を提供いたします。第1弾レポートは「コロナ禍で変わった!お金を払ってでも大切にしたいもの」調査報告です。以下、その概要をご紹介します。

新型コロナウイルスのパンデミックは人々の生き方に様々な変化をもたらしましたが、そこでの行動変容はその人の心の根底にある欲求が変化して起こっていることなのでしょうか。

行動の元となっている心理変容においては「変化したもの」と「変化していないもの」があり、パンデミックという厳しい環境下では変化しない根強い欲求こそが人々を支えているのではないか、その欲求は図らずもパンデミックによってより強化され顕在化しているのではないか、というのが今回の調査を行うにあたっての仮説です。

調査対象をミレニアル世代に設定したのは、社会人として一定の経験を積み、収入的にも購買力があり、結婚をする年代でもあることから今の社会の中心的ユーザー層であるからです。

今回のグループインタビューには小学館の女性向けメディアともなじみの深い高感度の女性12名に協力していただきました。

調査手法

フォーカスグループインタビュー:4名×3グループ コロナ禍での行動・心理変容を「生活の変化」「お金の使い方の変化」「将来への志向の変化」に焦点を当てインタビュー。

調査対象者

25歳~35歳のミレニアル世代女性 首都圏在住12名

情報感度高め、SNSでの情報発信や発言も積極的、社交性があり好奇心旺盛

グループ構成

G1 34歳~35歳 既婚女性4名 (専業主婦2名、有職2名。うち子供あり3名)

G2 25歳~29歳 有職・未婚女性4名

G3 31歳~34歳 有職・女性4名(既婚子供あり1名、未婚3名)

FG1(フォーカスグループインタビュー)でわかった「コロナ禍での行動・心理変容」

《生活の変化》

  • 在宅時間が増え、自分自身の生活を見つめ直すことで、心と体のメンテナンスに対しての関心が増えた。
  • 自分自身のステップアップや新たな挑戦をしている。
  • 価値観が同じで一緒にいて安心できる本当に大事な人とより深く付き合うようになった。
  • 不安定な業種や会社は思い切って辞め、自分に合う仕事を選択する。

《お金の使い方の変化》

  • 自分の気分が上がることや生きがいになることに対しては、とことんお金をかけていた。
  • 内面的(自己成長)・外見的(女性の美につながる)自己投資にお金を使うように変化していった。
  • 「今後もどうなるかわからない」という漠然とした将来の不安を解消するために、収入源を広げるようになった。
  • 「将来の安心」につながるよう選択・決断を行い、貯金・投資を始めた。

《将来への志向の変化》

  • 自己の生活力を高めながら多様な生活様式を目指すことで持続性のある成長と心の解放を考える志向に変化。
  • 自分の力や自分なりのタイミングを重視する一方、パートナーや人とのふれあいも求め、心の充足を高めようとしている。

パンデミックで顕在化したミレニアル世代の「パーパス消費」

  • さらにFGIで得られた全発言データを類型化・構造化して深掘りした結果、これら変化の根底には、 パンデミックのような状況下だからこそ「イキイキと自分らしく生きたい」という強い気持ちを大切にしていることが見えてきました。
  • それは自己の存在意義を高めたいという志向でもあり、昨今企業の経営概念として話題の「パーパス(存在意義)」が、 個人の存在意義を考える概念になりつつあるのではないかという新たな仮説を生み出しました。
  • ミレニアル世代は自己の「パーパスブランディング」のためならお金を惜しまないということが今回の調査でも明らかになっています。その消費性向は「モノ消費」「コト消費」「ヒト消費」などに続く、新たな消費「パーパス消費」となって今後さらに顕在化していくと考えられます。また、企業がこれらの価値観に応えるには、個人の「パーパスブランディング」に役立つ商品やサービスの開発だけでなく、経営面でも顧客や従業員全体の「ウエルビーイング」や「ワーク・ライフ・バランス」などの実現に向けた姿勢が求められてくると思われます

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