子育てママたちの「お金」への関心と傾向を探る~「こどもりびんぐ」の調査で新たな発見!~

2024/06/03

昨今、「お金」に関する教育の必要性が高まっています。教育現場では、成年年齢引き上げによる消費トラブル防止や金融意識の高まりなどから、国が2022年に高校での「金融教育」を必修化。家計管理やクレジット、ローンの活用方法などのほか、保険や資産運用などについて指導が始まりました。

より若い世代にも「金融教育」は広がっており、後押しする国も金融庁や財務省が絵本やゲームを活用した教材やコンテンツを開発。銀行や業界団体なども、イベント開催や学習教材の開発などに携わり、幅広い年齢層の多岐にわたるニーズに応える「金融教育」の機会を拡げ、保護者や子どもたちにお金の大切さとリスクを啓蒙しています。

見通しの立たない社会情勢の中で、「金融教育」の取り組みが官民一体となり進んでいる今、子育て世代のママたちは「お金」の問題をどのように捉え、またどのような情報を必要としているでしょうか。今回は小学館グループ会社でもある「こどもりびんぐ」が調査した結果を基に、ママたちの「お金」への関心や傾向を探ります。

【調査概要】
調査地域:全国
調査方法:Webアンケート
調査対象:
・全国の『あんふぁん』読者、『ぎゅって』読者
・『あんふぁんWeb』ユーザー、『ぎゅってWeb』ユーザー
20代9.1%、30代70.1%、40代20.8%の幼稚園、保育園ママ
※こども園は近い園の形態で回答
調査期間:2023年7月5日~8月4日
集計数:1046件

小学館・こどもりびんぐ主催イベントに、「お金」に関わる協賛社が登場

2024年3月、「小学館&あんふぁん ぎゅって こどもフェスティバル」が東京・池袋 サンシャインシティで開催されました。人気キャラクターのショーや参加型アトラクションのほか、多数の協賛企業・団体によるブースが盛りだくさん。親子で楽しめるイベントは当選した9千人を超える来場者で大盛況のうちに幕を閉じました。

▶︎2024協賛社一覧

このイベントで異色だったのは、出展社に「財務省」と「FPパートナー」というお金に関する団体・企業が新たに加わった点です。財務省ブースでは、個人向け国債について「最低金利保障があり元本割れがないなどの利点があり、教育資金にも活用できる」などと紹介され、母親たちが熱心に話を聞く姿が。貯金箱作成コーナーなどもあり、お金について親子で一緒に考える様子も見られました。株式会社FPパートナーの相談サービス「マネードクター」のブースでは、保険、家計、教育費などさまざまなお金に関する相談ができ、ママたちも新たな知識や情報を得ることができていました。

保育園ママの投資関心度は突出して高い

金融系イベントや講座が人気となっている背景には、子どもたちに「お金」について学んでほしいというママ・パパたちの願いに加え、子育て世代が抱く将来への漠然とした不安があるようです。これを裏付けるデータが、株式会社こどもりびんぐ(シルミル研究所)発表の「ママ・パパ・園児のデータBOOK 2023」の中で確認できました。幼稚園・保育園に通わせている母親の7 割が、家計に関する不安を感じていると回答したのです。

このデータの中で注目すべきポイントは、「ママの関心事」という調査結果で、「保育園ママ」の約 4 割が「投資・資産運用」に関心を持ち、その割合が「幼稚園ママ」の2倍近くになっていることでした。他の項目への関心度は、「幼稚園ママ」「保育園ママ」で大きな差があるものは、ほとんどありません。

出産後も働き続ける「保育園ママ」の世帯年収は相対的に高く、「投資・資産運用に関心がある」と回答した「保育園ママ」の約 4 割が、世帯年収 1,000 万円を超えていることが分かりました。専業主婦やパート勤務のママが多い「幼稚園ママ」よりも、「保育園ママ」の方が金融情報などを手に入れやすく、投資に対する関心や投資能力に差が出てきているのかもしれません。

いずれにせよ、将来に不安を抱えるママたちのなかで「お金をいかに効率よく運用するか」という点に今後も関心が高まってくるのは必至です。今回のイベントでも、おもちゃやランドセルなど子どもの興味や生活に直接関わる協賛社だけでなく、学資保険や NISA などを扱う協賛社によって長期にわたる金融商品の紹介が行われていたことも新たな潮流でした。つまり、9千人を超える来場者のイベントで、子どもを取り巻く環境の変化とともに、時代に合ったクライアントが集まることが明らかになったのです。

【💡ファインディングス】
・家計に不安を覚えている割合がとても高い
・幼稚園世帯と保育園世帯で、収入や関心などに差がつき始めている
・低金利社会の中でお金のある保育園ママの投資・資産運用意識が高まってきている
・小学館・こどもりびんぐ主催のイベントでも「お金」に関わる協賛社が登場している

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「お金」に関する不安を払拭する、未来への安心材料としてのコンテンツを

先行きが不安な中、ママたちが「お金」に対して高い関心を持つのは当然のことながら、これからは関心を寄せるだけではなく、ママたちも行動していかなければならない時代。しかし、実は現在の子育て世代には金融に関する教育をあまり受けていない「金融スキマ世代※」が多いのも特徴です。

だからこそ金融教育を受ける機会に恵まれなかった「金融スキマ世代」のニーズを押さえたコンテンツ発信や施策を展開し、彼らの行動につながる商品開発が不可欠なのです。

海外では幅広い年齢層で「金融教育」が必修化されたり、ゲームを通じて家計管理を学ぶ教材が多く見られたりするなど、「子どものうちから経済やお金の使い方を学ぶことが大切だ」とされてきました。この認識は今になって日本でも少しずつ広がっています。

そしてそのなかで、子育て世代が抱いている「お金」に関する不安や誤った知識を払拭するような、未来へ向けた安心材料としての知識収集やケーススタディなどのコンテンツが期待されています。

*金融スキマ世代とは、20 代~30 代でリーマンショック後の低金利時代に社会人生活の大半を送り、10 代で金融教育を受ける機会のなかった世代と定義しています。

幼児誌・学年誌をはじめとして、保育園から子供向け教育施設の運営まで小学館グループは様々な子ども事業を行っております。複雑化する社会の中での「子どもの今」をAD POCKETを通じて発信していきます。ぜひご期待ください。

また今回の「投資・資産運用の関心の高さ。ママのお金」の詳しい調査資料や詳細分析をご覧になりたい方は以下のこどもりびんぐ記事内にてダウンロードできます。母親の投資への関心の高さと年収の関係、信頼できる情報源などについての調査が出ています。ぜひご活用ください。

調査データの詳細はこちら:

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