雑誌、WEB、SNS、フリーマガジンの連動で、幅広い保育者にアピールできます。
『新 幼児と保育』阿部忠彦編集長インタビュー
2023/11/23
記事の中から保育のヒントやお役に立つものを見つけてもらえればと思っています
阿部忠彦編集長は1994年に小学館に入社し、『ビッグコミックスピリッツ』に配属。その後は児童学習の部署が続き、『小学五・六年生』編集部、学習漫画雑誌『GAKUMANplus(ガクマンプラス)』、『小学三・四年生』編集部、『小学一年生』、『小学二年生』と学年別学習誌すべてを経験。2015年に幼児を持つ保護者向けの雑誌『edu(エデュー)』へ。2016年、『新 幼児と保育』に異動し、2018年に編集長就任。
日々の保育に活かせるアイデアやノウハウが保育者に大好評
0歳児からの総合保育誌『新 幼児と保育』。保育園・幼稚園・認定こども園の先生向けの保育専門誌で、年4回の刊行です。1955年創刊の『幼児と保育』をベースに時代に即して進化を続け、2011年に『新 幼児と保育』として創刊。増刊として『0・1・2歳の保育』も年3回刊行。増刊は特に発達のスピードが著しい0〜2歳児に特化した内容となっています。
「読者は保育者さんで、保育士資格を持って保育園などで働いている方が大半です。年代的には30代が一番多く、あとは20代、40代ですね。中堅どころになってきた30代は、悩んだり考えたりすることが増えてくる年代なんでしょう。現状の保育の質をもう少し上げたい、より充実させたいというような方、それで周囲のことも考えて、ちょっと悩んだり、どうにか改善したいと思っている、向上心のある真面目な読者が多いと感じています」
人気コンテンツは、保育現場を取材して、そこの保育のアイデアや実践を紹介する記事や、読者の悩みに専門家がアドバイスする連載企画。ほかにも季節や行事に合わせた遊びや造形、装飾、絵本やあそびうたの紹介、保育現場ですぐにでも活用できるノウハウや実用情報が充実しています。また毎号別冊付録としてつく「指導計画」は、実際の園での指導計画実践例を、専門家の監修のもと年齢別に紹介し、こちらも好評です。
「保育者さんは他の園を見る機会がなかなかなくて、よそではどんなふうに保育しているのかを知りたいという声が多いんです。なので、実際に見に行けなくても、誌面で他の園の雰囲気や保育の取り組みを見ることが、少しでも参考になるかなと。保育者さんの仕事って大変なんですよ。『子どもと遊んでいればいいんでしょ』なんて言う古い考えの人もいますけど、そうではなく、資格を持って、子どものことをきちんと理解して接している。専門性の高い仕事で、本当にすごいなといつも頭が下がります。そんな保育者さんに、記事の中から少しでも保育のヒントやお役に立つものを見つけてもらえればと思っています」
読者にわかりやすいように、写真やイラストを多用し、誌面の「見やすさ」はかなり意識してつくっているとのこと。また、より手軽に、より多くの人に活用してもらいたいと、公式WEBサイト『みんなの幼児と保育』や公式Instagramも運営しています。
「WEBでは過去の記事のアーカイブが見られ、オリジナル記事や本誌には載っていないアイデア、本誌記事のプラスアルファの情報なども載せています。記事をテーマごとにカテゴリー分類し、タグをたどってそのテーマを深掘りできるようにしたり、監修者・執筆者から記事をチェックできるようにしたりと、読者が読みたい記事を探しやすいような工夫をして、ここでしか見られない動画やダウンロードコンテンツなどもあります」
WEBでは小学館の保育者向けサイト『HoiClue(ほいくる)』の中でも『新 幼児と保育』のおすすめ記事を紹介。さらに小学館グループの「こどもりびんぐ」が発行する幼稚園・保育園の先生向けフリーマガジンにコンテンツを提供。『園ふぁん with 新 幼児と保育』として、首都圏・関西・北海道・九州の約9千園に配布されるなど、保育者への浸透を広めています。
メディアミックスやセミナーを使ったタイアップでのアピールが有効
タイアップでは、本誌、WEBの『みんなの幼児と保育』、『HoiClue』、Instagram、『園ふぁん with 新 幼児と保育』を連動させた展開が可能。メディアミックスで大幅なリーチの拡大ができ、商材の認知度アップや関心喚起などに力を発揮します。
「全部を連動させれば、かなり有効なアピールができると思います。タイアップに向きそうなのはまず、働き方改革を踏まえたICT関連のもの。保育現場でもICTの導入が進められている一方で、まだ取り入れていないところが少なくないですから。またキャリアアップの面でいうと、保育関連の大学院的な教育機関。あとは保育環境に関する、例えば空気清浄器とかインテリア系のもの。子どもの記録を撮るのに適したカメラなどもいいですね」
タイアップの手法としては、読者に商品モニターになってもらうこともできます。
「1、2ヶ月に一度の割合で読者モニター会というのを実施していて、読者からいろいろ話を聞いています。その方々に商品を使ってもらい、感想などを話し合う座談会を開いて、内容を記事や動画にするとか。また取材などの協力園が全国に50園ほどあり、先方がOKすれば、そこで商品を試用してもらうこともできるんじゃないかと思います」
また、保育者向けのリアルセミナーやオンラインセミナーで、アピールする方法もあります。
「年に1回『保育セミナー』というリアルセミナーを主催していて、LIVE配信、見逃し配信もしています。オンラインのセミナーは2021年以降50回以上行っています。いずれも大学教授や実際に保育に携わっている方など、専門家の方々を講師に迎え、毎回多くの保育者さんが参加してくれています。こうしたセミナーをスポンサードしていただき、そこで商品や企業イメージをPRしてもらうこともできますね」
今後、より力を入れたいのはInstagramを伸ばすことと、単行本を出すことと、阿部編集長。
「Instagramは2022年末から始めまして、1万フォロワーに近づいています。ただ内容によっては40万超え再生になったりしているので、もっと伸ばしたいですね。単行本は本誌の人気連載をまとめたものが多く、2023年度は6冊予定でどれも好評です。なかでも保育・子育て支援の第一人者、大豆生田啓友先生監修の『子どもが中心の「共主体」の保育へ』は、アマゾンでも楽天でも売り上げ上位に入っています。雑誌『新 幼児と保育』の人気連載をもとに構成しています」
「共主体」とは、OECD(経済協力開発機構)の2030年に向けた教育プロジェクトの中に出てくる「Co-Agency」という語を日本語化した新しい言葉。これからの保育のキーワードとして注目されています。
「今はさかんに『子ども主体』って言われていますけど、それだけでは保育は回らなくて、子どもに接する大人、保護者や保育者など皆が主体的に関わって、互いに学び合っていきましょうという考え方です。WEBやInstagramの利用が増えている一方で、保育者さんたちのなかにはまだ紙への需要、本でまとめて読みたいという要求があるので、こうした単行本をもっと出していきたいと考えています」
本誌のコンテンツとしては、発達障がいの子どもの保育に関する記事を増やしたいとのこと。
「いわゆる気になる子というか発達障がい系のお子さんが増えていて、その子の保育をどうすればいいか悩んでいる保育者さんがいるので、そこをフォローするような企画はやっていきたいです。最近では、その子はその子の個性として見て、インクルーシブ保育っていうんですけど、みんな同じクラスで保育していきましょうという動きもあるんですよね」
取材で園に行くたび、子どもの集中力や自分を曲げない強さ、何気ない話の中に出てくる核心に迫る発言などに、すごいなと感心し、そういう場に多く立ち会えることを幸せだと感じるという阿部編集長。多忙な日々の中、息抜き的な楽しみは〝町中華〟を巡ること。小学館や自宅周辺で、いかにも古くからやっていそうな店を探して行っているそうです。そこで餃子やチャーハンを、店主の老夫婦や店の雰囲気なども含めて味わうことが好きなんだとか。そんな阿部編集長は、子どもと真摯に向き合っている保育者さんに少しでも役立つ情報を届けたいと、日々奮闘しています。
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