幼児向けに新しく出したいものがあれば、ぜひお声がけいただきたいです。
『めばえ』木島恭輔編集長インタビュー

2023/05/29

長年蓄積されたノウハウを持ち、保護者からの信頼も厚い幼児誌です

木島恭輔編集長は1999年に小学館に入社し、幼児誌『ベビーブック・マミイ』編集部に配属。2誌が各々独立した編集部になった際に『マミイ』、その後、『幼稚園』に異動し、再び『ベビーブック』に戻り、2014年に『めばえ』へ。2021年に編集長代理、2022年に編集長に就任。対象年齢が0〜2歳の『マミイ』から4〜6歳の『幼稚園』まで、小学館の幼児向け全雑誌を経験し、とくに幼児誌の購入動機のポイントとなる付録は全誌で長く担当。

子どもが喜び、保護者が我が子の成長を実感できる知育遊び

2・3・4歳児向けの学習絵本『めばえ』は、1958年創刊の幼児誌のパイオニア。『めばえ』世代が大好きなごっこ遊びやシール遊びなど、遊びながら学びの心を育むコンテンツと、「アンパンマン」「きかんしゃトーマス」「ドラえもん」「パウ・パトロール」「すみっコぐらし」「ベビーバス」などの人気キャラクターが満載の本誌や豪華な付録、加えて保護者向け別冊『めばえwith HugKum』のセットで、幼児誌分野実売No.1を長年継続しています。

「幼児誌の場合、読者が雑誌を購入するかどうかの判断のもとになるのがまず付録。次に、自分の好きなキャラクターをはじめ、いろんなキャラクターが載っていること。そして保護者の方の購入判断基準になる大きな要素として、知育に役立つかどうか、ということがあります。ただ遊んでおもしろかったね、というだけではなく、切ったり、貼ったり、色を塗ったりと手指を動かし、五感を使うような知育要素を重視される親御さんが、最近はとくに多い印象です。毎号『めばえ』では、なるべくいろんなキャラクターでいろんな知育遊びができるよう心がけて構成しています」

『めばえ』読者の保護者は、非常にまじめに子育てに取り組んでいる方が多いと感じるとのこと。その分、知育にも関心が高いようです。

「時間やお金も自分のためより子どものために使い、『子どもと一緒に過ごす時間が一番楽しい』という子育てに熱心な親御さんが多いです。それにコロナ禍で在宅を余儀なくされたり、コロナ後も育児や世情の不安感がある中、他にいろんな教材を買い与えなくても、『めばえ』一冊でたくさん遊べて知育にも役立つことは、やはり魅力なのではと思います」

3歳前後は好奇心や意欲が芽生え、語彙が増えて想像力がつき、手指も発達してきて、やれることや興味がどんどん広がっていく発達の目ざましい世代。『めばえ』は子どもの発達についての広い知識と深い理解のもと、年齢に合った遊びや学びをしっかり意識して作られているからこそ、読者に喜ばれ、保護者にも信頼される雑誌となっています。

「保護者の方にとって、子どもが何かちょっとしたことができるようになるのは、我が子の成長が感じられてすごく嬉しいんですね。シールをうまく貼れなかった子どもが、毎月シール遊びをしているうちに上手に貼れるようになったことに感動する親御さんもいます。『めばえ』で何かを覚えさせようとか、頭を良くしようというよりも、子どもが楽しそうに意欲的に取り組んでいる姿が見られて、さらに成長も感じられる。そのことが保護者の方にはとても意義があり、『めばえ』を買ってくださる理由になっているのではないでしょうか」

2023年現在、幼児向け雑誌業界の中で唯一の完全月刊誌であることも『めばえ』の大きな特徴。その時々のタイムリーな情報が入れられて、年中行事を含めた季節ごとの遊びや学びを紹介できるため、引き続き完全月刊誌を死守できるようがんばりたいということです。

本誌、付録、別冊のそれぞれにおいて、訴求効果の高いタイアップを展開

タイアップにおいては、まず子ども自身に強くアピールできるのが『めばえ』の強みです。

「『めばえ』は玩具メーカーさんとのお付き合いが濃く、子どもが好きなキャラクターを活かしたおもちゃは、付録でのコラボはもちろん、誌面で紹介してもすごく人気が高いんです。本誌での玩具メーカーさんとのタイアップページは、読者アンケートでいつも上位に入るほど好評で、読者にもメーカーさんにも喜んでいただいてます」

タイアップページではただ単に商品を紹介するのではなく、シールを貼ったり、探しっこをしたりなど、プラスアルファの遊びの要素を盛り込んでいることが、読者人気の大きな理由。編集部で長年蓄積してきたノウハウにより、その商品をどんな遊びに落とし込めば読者に受けるかがよくわかっており、商品を子どもに強く印象づけて、購入へと繋げます。

「人気キャラクターのリニューアル及び劇場作品のプロモーションとして、小冊子のタイアップ付録をつけたことがあり、こちらも非常に好評でした。それを見ればキャラクターや劇場作品の情報がわかり、キャラクターを使った遊びのページもあれば、キャラクター商品も紹介されていて、その一冊だけで十分楽しめ満足していただけたのだと思います。大好評につき増し刷りをして、映画館や玩具ショップでも配布していただきました」

一方、保護者向け別冊では、編集記事をつけた訴求力のあるタイアップを展開しています。

「見開きのタイアップページの前に、関連した編集記事をサービスで1ページつけるんです。例えば、子どものスキンケア用品のタイアップなら、子どもの肌がデリケートなことや皮膚を守ることがいかに大事かを、専門の医師に取材してていねいに説明する。じつはこの1ページの編集記事が読者アンケートでとても人気があり、タイアップページへの導入効果も高いので、このパターンの展開が増えています。玩具なども、それで遊ぶことが子どもの成長にどういいのかといった教育的な視点を、やはり専門家の裏付けのある記事にして紹介すると非常によく読まれる。『めばえ』では普段から様々なジャンルの先生や識者の方とお付き合いがあるので、どういった商品でも関連記事がつけられます」

2021年に『めばえ』『ベビーブック』『幼稚園』の3誌の編集部が幼児誌編集室としてまとまり、そこにグループメディアも加えたスケールメリットのあるタイアップも増加中です。

「『めばえ』の別冊に掲載したタイアップ記事を、『ベビーブック』の別冊やWEBメディアの『HugKum』、さらに幼稚園・保育園で配布しているグループメディアのフリーマガジン『あんふぁん』『ぎゅって』に転載したりしていますが、これらのメディアをすべて合わせるとすごい部数になります。タイアップにおいてこうしたスケールメリットを活かせるようになったことは大きいですね。またオプションとして『あんふぁん』や『ぎゅって』の幼稚園・保育園ルートを使ったサンプリングができたり、『HugKum』で商品サイトに繋げたりと、いろんな形でPRができるのもメリットです」

幼児誌編集室となったことで、さまざまなタイアッププランが組みやすくなり、要望や予算に応じたカスタマイズもできるため、気軽にご相談いただきたいとのこと。

「『めばえ』は新しいキャラクターをどんどん育てられる雑誌ですし、キャラクターもの以外でも、その商品を3歳前後の子どもに興味を持ってもらえるように提案する誌面作りができるので、幼児向けに新しく出したいものがあれば、ぜひお声がけいただきたいですね」

今後の展望としては、コロナ禍でできなかったイベントにも力を入れたいと木島編集長。

「2024年3月に『小学館&あんふぁん・ぎゅって こどもフェスティバル』という大規模なイベントを開催します。読者や保護者の方と直接交流することは、僕らにとって大事な経験ですし、普段あまりお付き合いのない企業の方とも交流をもつことができるので、何か新しい取り組みへの機会にもなるかなと思っています。小学館の幼児誌が一つのハブとなり、企業さん同士のコラボの場を提供するようなイベントもできるんじゃないかと考えていて、今後そういういろんな形で関わっていけたらいいですね」

また、『めばえ』の増刊として、乗り物に特化した『のりものスターズ』を年2回、より知育に特化した新たな増刊号も予定しており、こちらでのタイアップも広げていきたいということです。

「もともと『めばえ』の読者ターゲットというのが、3歳前後児で、キャラクター好きで、そのキャラクターもある程度絞られていて、親御さんは知育に関心があってと、かなりセグメントされていますが、増刊ではさらにターゲットが絞られます。その絞られたところに狙ってアピールするのは、すごく効率的というか、効果が高いと思います」

自身が3児の父親であり、第1子が生まれた時に7か月の育児休業を取った木島編集長。それまでに乳幼児の健診や予防接種についての記事を作成していたものの、実際にやってみて気づいたこと、わかったことが多く、とてもいい経験になったそうです。ちなみに食べ歩きが大好きで、育休中も子どもをおんぶしてラーメン屋に行ったら、食べている途中で子どもが泣き出し、周囲に驚かれつつ、あやしながら食べ終えたというエピソードも。そんな木島編集長は、親子で楽しむ『めばえ』をより進化させたいと、日々奮闘しています。

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