自動改札機を忠実に再現した付録がSNSやメディアで大注目! JR東日本メカトロニクス/『幼稚園』の事例をご紹介
2022/07/08
目次
SNSやメディアの注目度も高いコラボ付録で、社内外の大きな話題を創出
J R東日本グループの一員として、駅の機械設備の開発や施工、メンテナンスを行うJR東日本メカトロニクス株式会社(JREM)が、幼児向け生活知育学習誌『幼稚園』とコラボした事例を紹介します。
『幼稚園』2022年5・6月号の付録はJR東日本の自動改札機をモデルとした「じどうかいさつき」。本物そっくりなデザインにモーターユニットを内蔵し、「Suica」の模型をタッチすると音が鳴って実機さながらに自動でドアが開閉します。細かい部分にまでこだわって、本物を忠実に再現したデザインやタッチ音がSNSで話題となり、テレビなどでも取り上げられて、大きな注目を集めました。
このコラボ付録は、JREM新体制10周年企画として、同社の経営企画本部 企画部 経営企画課主席の千葉咲紀子さんが発案。そこで千葉さんに、コラボの狙いや経緯、反響などについて、お話を伺いました。
社員にも喜んでもらえる記念企画としてコラボ付録に着目
2022年4月にJR東日本グループ内の企業再編から10周年を迎えたJREM。その記念企画のプロジェクトメンバーとして、何ができるだろうかと考えていたという千葉さん。偶然ラジオで、『幼稚園』副編集長の大泉高志が今後付録にしてみたいものとして自動改札機を挙げていたのを耳にし、今回のコラボを会社に提案しました。
「以前から『幼稚園』の企業コラボ付録には注目していたんです。SNSやテレビなどで度々話題になっていましたし、私自身、何かを組み立てたりするのが好きなので、実際に自分で作ってみたくて買ったりもしていました(笑)。それで個人的に、いつか弊社でも何かやってみたいな、でもちょっと難しいかなと思っていたんですが、大泉さんがそういうことを言っていらっしゃったのを聞いて、これはいけるんじゃないかということで」
そこで、まずは上司の経営企画課課長の金田拓也さんに相談。金田さんによると、プロジェクトメンバーが各々あれこれの企画を提案する中で、千葉さんの「これをやりたい」という熱量が一番大きく、心を動かされたとのこと。千葉さんの思いを強くしたのは、付録にすることで子どもたちに自動改札機の使い方を知ってもらいたいと考えたことに加え、毎号SNSやテレビで取り上げられる企業コラボ付録の話題性でした。
「10周年の企画としてはもちろん、駅をご利用いただいているお客さまがたへの感謝ということがまずあるんですけど、10年間お客さまの利便性や安心・安全を支えてきた社員や、社員の家族にも喜んでもらえるような企画がしたいなと思っていました。そこで社内外で話題にしてもらえる企画をと考えたときに、『幼稚園』の付録はすごくいいんじゃないかと」
多くの人が日常的に利用する駅のさまざまな機械の開発やメンテナンスをしているJREMですが、こういう会社があるということは一般にはあまり知られておらず、ある意味、地味な存在だと千葉さんは言います。
「会社が世間に知られる機会というものがなかなかないんですね。それで、毎号話題を呼ぶ『幼稚園』の付録なら、縁の下の力持ち的に現場で働いている社員にも、うちの会社が話題になっている! と、ちょっと喜んでもらえるんじゃないかと思ったんです」
千葉さんの案は、会社の経営陣の賛同、さらにはJR東日本を始めとする関係会社の承諾を取り付けたうえで同じJR東日本グループの(株)ジェイアール東日本企画を通じて小学館へ。こうして自動改札機の付録企画がスタートしました。
本物らしさを追求した付録に、期待通りの反響が
付録の制作にあたっては、「どこまで本物に寄せられるか」が課題で、とくに重視したのはタッチ音と外装のデザインでした。タッチ音は、定期券の場合、ICカードの場合、子ども料金の3種類がランダムに鳴る仕組みで、リアリティーを出すのに苦心したそうです。
「音は本物らしさを感じていただく重要なポイントだと思ったのでこだわったんですが、実物の音を収録して使っていただいた試作品も、鳴らしてみるとそれらしい音に聞こえなかったりして難しかったですね。機材のスペックの問題などもあると思うんですけど、やはり付録のスケールに落とし込むというところで、なかなかうまくいかない部分があり、大泉さんと何度もやりとりをさせていただきました」
そして外装のデザインに関しては、JREMのコラボならでは付録として、本物そのもの、を追求しました。
「本物の機械の図面からデザインを起こして、ステッカーの感じとか、タッチ部分の傾きの角度とか、そういう細かい部分も忠実に再現していただきました。見た目に関しては完璧にJR東日本の改札機だなというふうに仕上がったので、そこは自負しております」
こだわりが詰まった自動改札機の付録は、まずツィートで話題になり、その後テレビに取り上げられるなど、期待通りの反響を呼び起こしました。
「やはりテレビで取り上げられたことへの、社内の反応は大きかったです。最初に企画を提案したときに、話題性に関してはちょっと半信半疑な感じだった会社の経営陣も、付録がメディアにどんどん取り上げられるようになると、『あれはやっぱりよかった』と(笑)。社員には特別号を作って配ったんですけど、社内のコミュニケーションツールに実際に付録を作ってみたことを投稿してくれたりもして、かなり盛り上がりましたね」
社外の反響も大きな広がりを見せ、鉄道ファンのサイトでも紹介されるなど、熱い注目を集めました。
「SNSなどを見ていると、『幼稚園』の主な読者であり、これからSuicaを使って電車に乗っていただくようになるお子さんやその親御さんはもちろん、それ以外の方々からの反応もたくさんありました。鉄道ファンの方の間で話題になるだろうなとは予想していましたが、まさか自動改札機が付録になるとは、というような反応で、おもしろかったです」
自動改札機の使い方を学ぶ教材としても付録が活躍
今回のコラボは親会社であるJR東日本からも高く評価され、同社が社会貢献活動の一環として行なっている地域の小学校での出張授業に、付録が使われることになったそうです。
「世の中の親御さんが子どもに初めてSuicaを持たせるときに、使い方の練習をさせられる場所がないじゃないですか。学校でも駅を使う学習というのはなかなか難しいようですし。そうした中で、この付録は自動改札機の使い方を説明する教材としてすごくいいということで、提供することになりました」
また、『幼稚園』本誌中面では、自動改札機の仕組みの図解や、昔〜現在の改札機の変遷を紹介。子どもたちの興味をそそるページになったのもよかったとのこと。
「どういう内容が良いかや、機械の仕様の説明などを子ども向けにどう表現するかなどを、編集部といろいろご相談させていただきました。お子さんたちは今の改札機しか見たことがないでしょうから、昔は駅員さんが切符を切っていたんだよというところから取り上げてもらったのもよかったと思っています」
紙の切符の場合、自動改札機にどの向きで入れてもきちんと認識し、決まった向きで出てくるというような、JREMの知られざる「匠の技」についても解説しました。
「社内では、結構難しいことが載っているねという反応もあったんですが、逆にこれくらいの内容のほうがお子さんの興味を引くと思うので、うまくバランスをとっていただいたと思います。今では新幹線もSuicaで乗れるようになっていますから、一生切符を使わないお子さんもいるかもしれませんが、『幼稚園』を読んで、一度切符を使ってみたいとか、いろいろ関心を持ってもらえたらいいですね」
最後に千葉さんに、今回のコラボ企画を振り返っての感想を伺いました。
「最初はただただやってみたいということで突き進んでしまったんですが、実際にやるとなると苦労したところもありました。でも、こうやってあちらこちらから反響をいただくと、やはりやってよかったなという思いが強いですね。社員の反応も社外の反応も非常によくて、ある意味、狙い通りと言いますか、初めに考えていたように、社内外で話題にしてもらうことができて、達成感があります」
自動改札機以外にも、ホームドアや券売機など、子どもたちに仕組みを知ってもらいたい駅の機械がまだまだあり、何かの機会に紹介できればと千葉さん。今回のコラボレーションは、話題性とともに子どもたちの学びにも大きく貢献したと言えるでしょう。
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