ジョージ朝倉の代表作の一つ。現代日本を舞台に、バレエに秘めたあこがれを持ちながらも、「男らしさ」を追求してきた中学生の村尾潤平が、転校生の都との出会いをきっかけにバレエダンサーを目指す物語。父親の死により一度は抑え込まれた幼少期のバレエへの情熱が、バレエ教師の娘、都との出会いで再燃する。圧倒的な才能を持つ流鶯や生川はるかバレエ団とのかかわりを通じて、潤平はバレエ界の厳しい現実と向き合いながら、自らの才能と可能性を見出していく。本作は、スポーツ漫画としての要素を持ちながらも、芸術表現としてのバレエの世界を描いた青春ドラマとなっている。バレエの動きを精密に再現した作画表現と、感情の高揚を視覚化するダイナミックなコマ割りが大きな特徴となっている。世界設定として、日本のバレエ界の階層構造やロシアバレエの権威、主役となるプリマの相手役を務めるダンスール・ノーブルの概念など、実在のバレエ界の仕組みや文化が組み込まれている。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2015年42・43合併号から連載。2019年に第23回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門審査委員会推薦作品に選出。テレビアニメが2022年4月から放送された。