サイトの立ち位置がハッキリしていて、質のいいオーディエンスを抱えていることが最大の魅力です。 『和樂web』鈴木 深編集長インタビュー

2023/06/05

キャラのぶれない、日本文化の入り口マガジンです

鈴木 深編集長はアパレルメーカー勤務を経て、1989年に小学館入社。最初の配属は広告局。その後、『CanCam』、『Oggi』、『Domani』を経て、『Oggi』編集長に就任。続いて『Precious』、『MEN’S Precious』の編集長を歴任。広告局に編集部を置く『AdvancedTime』の創刊を手がけ、2022年より現職。

本誌との連携により、読者への訴求効果が高まった

〝日本文化の入り口マガジン〟として『和樂』本誌が創刊されたのは2001年。『和樂web』は2016年にスタートしました。読者層にはどんな特性がありますか。

「『和樂web』のコアユーザーの年代は35~45歳で、男女比は50:50。『和樂』本誌の平均読者層である55歳よりもかなり若く、今後の『和樂』本誌の読者となっていく人たちです。おもしろいのは、『和樂web』のFacebookのフォロワー8万人のコア年齢層は50代で、男性の占有率が65%と高いこと。例えば刀や甲冑の話など、〝和〟を入り口にした濃厚でマニアックな話題で盛り上がり、サイト全体の読者とはひと味違う知的で濃密なコミュニティが形成されています。

全体としての大きな特徴は、知的富裕層であること。ギラついた富裕層と違って、知的富裕層というのは〝自分さえよければいい〟という人々ではなく、文化を大切にし、人生を豊かにするためにお金を使う人たちです。アートや別荘などに関心をもつ人がとても多いのが特徴です。現在の知的富裕層はもちろん、潜在的な未来の知的富裕層も含めた方たちが、『和樂web』のオーディエンスなんです」

今年4月、『和樂web』は大きくリニューアルしました。どのように変わったのか、サイト内容について教えてください。

「これまで『和樂web』は比較的独自の路線で展開していましたが、リニューアル後は『和樂』本誌と世界観をそろえ、ラグジュアリーでシックな佇まいにしています。1本1本ていねいに手をかけた、熱量の高い〝和〟に関する読みごたえのある記事を、毎日配信しています。

『和樂』本誌のアーカイブ記事はサイト全体の7割程度。本誌で大人気だった、茶の湯、歌舞伎、(浮世絵や若冲、琳派、狩野派などの)日本アート、民藝、京都といったタイムレスな記事は、本誌の一度きりの掲載で終わらせずに、何度でも『和楽web』でアーカイブ掲載していきたいと思っています。過去に人気を集めたジュエリーのタイアップ記事の再掲載も、ブランドの方々に確認を取りながら進めています」

サイトリニューアルにより、本誌との連携が可能になりました。読者への訴求力にも相乗効果が生まれています。

「あらゆる広告主から求められるのは、〝本誌掲載+web展開の広告プラン〟です。本誌とwebの連携が高まることにより、広告主にご提案できる広告メニューが劇的に増えました。秋口で決まっている某ジュエラーの大型タイアップも、本誌記事とwebでの展開がセットになってオーダーいただいています。

今後は、動画メニューの充実も精力的に行う予定です。ジュエリーや時計、工芸、グルメなどの魅力を伝えるときにも、動画ならば精巧な動きや音、あるいは職人の手の動きなどを伝えやすくなります。編集記事としても、タイアップとしても、動画は重要だと思っています。

また、『和樂』本誌だけではフォローしきれなかった30~40代は、まさしく『和樂web』のコアターゲットそのものなので、本誌とwebの連携によって『和樂』ブランドのファンの年齢層が大きく広がりました。」

本誌のアーカイブ記事の一方で、『和樂web』ならではの記事もコアなファンがついています。

「サイトの多くを占める〝静謐〟で〝オーセンティック〟な印象の記事のなかで、異彩を放つ〝濃密でロックな記事〟を紛れ込ませているのも、『和樂web』の魅力です。例えば、幕末に登場した全身タトゥーの女盗賊の記事、大奥の女中たちの禁じられた恋の話、西行が高野山の奥でつくった人造人間の記録…など、濃厚で好奇心をくすぐる話を、実際の記録や出典を明らかにしながら掲載しています。

執筆してくださる方々もユニークで幅が広いです。彬子女王殿下、直木賞作家の澤田瞳子さん、タレントのSHIHOさん、モデルの原 由美さんらをはじめ、顔ぶれは実に多彩。若き狂言師の野村万之丞さん、日本カルチャー大好き俳優の阿部顕嵐さんの連載も女性オーディエンスから好評です。新たに文楽の若手リーダーの織太夫さんも加わる予定です。また、非常に個性豊かで、専門知識豊富で、いい意味で偏執的なこだわりをもつ執筆者がたくさんいるのも『和樂web』の宝です」

知的欲求と経済力をもつ、質のいいオーディエンス

『和樂web』の読者は『和樂』本誌読者と同じく、アートに対する知的感度の高い人が非常に多いです。これは他のwebメディアには見られない特徴です。

「和樂ブランドが日々推奨している『和を楽しむ、アートを愛する』という生き方を、華やかに実践している男女が、読者の中には多数いらっしゃいます。

つい先日も、都内の美術館で某ブランドの主催する特別展に読者10組20名を抽選でご招待しました。どんな方がいらっしゃるのかと見ていましたら、集まったご夫婦や親子、お友だち同士やカップルの方々の感性の高さには驚きました。洋装・和装など思い思いの華やかな装いや、さりげなく手をつなぐご夫婦の洗練された振る舞いに加え、知的欲求と経済力の高さには目を見張るものがありました。

そのイベントでは、特別展の見学に続いてブランドのショップでドリンクやフィンガーフードを楽しんでいただいたのですが、その場ですぐお買い物される方や取り置きされる方がとても多くいらっしゃいました。ブランドの背景やストーリーを特別展でより深く理解し、そのよさを十分に分かった上でしっかりお買い物もする……そんな人生をしっかり楽しんでいる方々こそが、まさしく『和樂web』や『和樂』本誌の読者たちです」

洗練され、知的欲求と経済力をもつ読者層に支持されている『和樂』と『和樂web』。相性のいいタイアップ先には、ハイジュエリーや時計、ファッション、ホテルや宿、コスメ、車、インテリア、飲料などがあげられます。

「これまでのタイアップでは、ハイジュエリーや時計、和菓子屋、地方自治体、さらに少し変わったところでは金沢で工芸展を開催した(株)ポケモンなどがありました。今後もこれまでのタイアップ先を大事にしながら、〝和〟の文化を感じられる幅広い分野にアピールしていきたいと思います。ラグジュアリーでなければならないということはなく、知的富裕層にささるものがいいと考えています」

今後の展望として、どのようなことに力を入れたいとお考えですか。

「今後は、サイトリニューアルに伴ってスタートした読者組織『茶炉音(サロン)・ド・和樂』をフル活用して、『和樂』と『和樂web』のファンコミュニティを盛り上げたいと思っています。知的感度と経済力のある読者の興味・関心にこたえられるよう、きちんとブランディングしてマネタイズしていきたいです。

また、一部の記事や広告記事を英訳で配信していきたいと考えています。現在、世界中から観光客が京都にやってきますが、京都のこと、日本のことをもっと深く知っていただきたい。アートは世界をつなぐ共通の装置です。海外の方にはアートを通して日本のことを知ってもらい、日本人には世界中の方と交流して日本アートのすばらしさを再確認してもらいたいと思っています」

広告媒体としての『和樂Web』の魅力とは何ですか。広告主にアピールしたい点をお教えください。

「サイトの立ち位置がハッキリしていることです。良くも悪くもコンペティターが存在しないことです。知的で、経済力があって、浮気しない、質のいいオーディエンスを抱えていることが『和樂web』の最大の魅力です」  

米沢紬に、西陣の帯を締めてインタビューにのぞんだ鈴木編集長。ブランドのパーティーなどに和装で出席することもあるといいます。和装の世界に足を踏み入れたのは2~3年前。その心地よさ、奥深さの虜になり、和装の〝沼〟にはまりました。「たまに和装で飲んだくれています。風情があり、着るだけで気分が上がりますよ」。夏場は一重の軽い紬に袖を通し、オープンカーでドライブするのが至高の体験とも。「好みの反物や帯に出合ったときは、体中をアドレナリンと血液と物欲が駆け巡り、細胞が活性化されるのがわかります」。人生をいかに盛り上げるか。新たな世界を知ることの楽しさを満喫しています。

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