『みんなの教育技術』が「通知表作成」の実態を調査! 通知表業務は現場でどう受け止められているのか、リアルな声を発表

2026/01/26

『みんなの教育技術』がおこなった、通知表作成に関するアンケートをご紹介します。本調査には、教員をはじめとした教育関係者が回答しており、通知表、特に所見作成に向き合う現役教員のリアルな声が反映された、非常に貴重なアンケート結果となっています。

本調査の結果が、教員の働き方や学校現場の業務のあり方について、多くの方に関心を持っていただくきっかけとなればと考えています。なお、調査の詳細は小学校教員のための教育情報メディア『みんなの教育技術』にて公開されていますので、ぜひご覧ください。

【調査概要】
■調査期間:2025年11月25日~12月15日
■調査機関:自社調査。Webメディア「みんなの教育技術」でのアンケート調査
■有効回答数:277人

※本アンケートでは、回答者の負担軽減のため設問を任意回答としています。そのため、設問ごとの有効回答数は異なります。

目次

回答者は、現場の担任・特別支援を中心とした教員層

教員歴を教えてください

教員歴は1~3年目の若手から31年以上のベテランまで幅広く分布していますが、11年以上の教員歴を持つ中堅・ベテラン層の回答が比較的多く見られました。現場経験を積んだ教員の実感が多く反映された結果となっています。

現在のお立場は?(兼務の場合は主たる業務)

学級担任からの回答が多い一方で、特別支援学級担任や通級指導教室担当など、特別支援に関わる立場の教員からの回答も多く寄せられました。日常的に個別対応や記録業務を担う教員の声が多く含まれています。

〈その他の回答より〉

  • 大学教員
  • 拠点校指導教員
  • 通級指導教室担当

多くの学校で、通知表と所見は今も継続して運用されている

現在の勤務校で、通知表についてあてはまるのはどれですか?

「通知表があり、所見欄もある」と回答した教員が大多数を占めました。「所見欄がない」「通知表がない」といった学校は少数にとどまっており、通知表と所見は現在も多くの学校で継続して運用されていることがわかります。

通知表作成は短期間では終わらず、業務負担が集中している

通知表の作成全体にかかる期間は?

「2週間程度」「3週間以上」と回答した教員が多く、通知表作成が短期間で完結する業務ではないことが示されています。学期末の限られた期間に、まとまった作業時間を要している実態がうかがえます。

通知表に関わる作業のうち、最も負担感が大きい(時間を要する)のはどれですか?

最も多く挙げられたのは「所見の記入」でした。成績の集計や入力作業と比べても、文章作成に多くの時間と労力が割かれている状況が読み取れます。

〈その他の回答より〉

  • 初任者など経験の浅い教員の文章の直し。細かいことは言いたくないが、直さないわけにはいかない文章も多い。
  • 所見の作成

通知表作成を勤務時間外で行うことがありますか?

ほとんどの教員が「ある」と回答しており、通知表作成が勤務時間内だけでは完結していない実態が明らかになりました。時間外や自宅での作業が常態化していることがうかがえます。

所見作成では、時間だけでなく精神的なプレッシャーも大きい

通知表を書く際、次のようなプレッシャーを感じますか?(複数回答可)

作業量の多さや期日までに書き切れるかという不安に加え、表現の制限、管理職や同僚との評価観の違い、保護者の反応への不安など、複数のプレッシャーを感じている教員が多く見られました。所見作成が精神的な負担にもなっていることがうかがえます。

〈その他の回答より〉

  • 通知表画面へデータがうまく飛ばないなどシステム間の不備
  • 教育上の言葉表記便覧との照らし合わせ
  • 確認作業

効率化への期待が高まる一方、所見不要論も浮かび上がる

通知表づくりを効率化するサービスがあるとしたらどんな機能を期待しますか?(複数回答可)

所見文案の生成や誤字脱字チェック、学習記録の自動集約といった機能への期待が多く挙げられました。一方で、「そもそも所見を書かなくてよい」「所見欄をなくしてほしい」といった意見も見られ、制度そのものへの疑問も浮かび上がっています。

〈その他の回答より〉

  • そもそも所見を書かない。
  • 所見欄や教科自体をもっと短くするあるいは削減する
  • 廃止の支援

すでに通知表業務の効率化に役立つと感じたツール・仕組みがあれば具体的に教えてください。

ChatGPTなどの生成AIを活用しているという回答が多く見られました。文案作成や誤字脱字のチェックなど、補助的な用途でAIを取り入れている教員が増えていることがわかります。

  • GoogleのGeminiを用いて誤字脱字のや表現のおかしい箇所がないか添削してもらう。どうしても指定字数の文に直せないときに、書きたいことを羅列し、文章を生成してもらい、参考にする
  • てんまるに入っている教科ごと、活動ごとの所見文例
  • AI機能を使って所見を書いている。その子の成長を箇条書きで記入し、条件をつければ80%くらいの完成度で文章を作ってくれる。あとは直すだけ。 
  • AIで誤字脱字や文章の不自然さ、校内の表記ルールチェックを行う
  • 自作のエクセルで、文字数をカウントしたり、規定の文字数に到達したら色が変わったりするものを用意しています。

工夫を重ねながらも、通知表のあり方を問い直す声が多く寄せられた

通知表作成について、あなた自身(または勤務校)で工夫・改善していることは?

所見の回数を減らす、日頃からメモを蓄積する、テンプレートやICTを活用するなど、負担軽減のための工夫が多く挙げられました。個人や学校単位で試行錯誤が続いている様子がうかがえます。

  • 算数科では、思考力を問う学習の場合、よい考え方をした児童を書き留めておく。 国語科の物語教材では、吹き出しに人物の気持ちを書かせる。 学校としては、善い行いをした児童を全職員で見取り、そのことをパソコンで入力し、担任に知らせている。
  • 所見の字数が足りない、余るときにチャットGPTを使って、調整している。 総合的な学習の時間のまとめなどをオクリンクプラスやGoogleアプリを使っているので、PC上で児童の作品や感想などを確認できるようにしている。
  • 日々の授業で素敵だと思ったことを名簿にメモしているので、成績作成期間が打ち込み作業だけで済んでいる。
  • 本年度からTe-Comp@ssを使用しての作成になりました。作業に慣れ、効率化できるかはこれから検討に入ります。現在は、前年度との違いが大きく戸惑いの声が多いですが、作業のや、日々の記録方法の見直しができれば、効率化できるのではないかと考えています。

その他、ご意見・ご要望があれば自由にご記入ください。

所見や通知表の簡素化・廃止を求める声や、国や自治体による明確な指針を求める意見が多く寄せられました。通知表のあり方そのものを見直す必要性を感じている教員が少なくないことが読み取れます。

  • 通知表作成は、基本学校のPCでしか作成できないため、休日出勤しての作業になる。 平日は、ほかの仕事で時間がほとんどとれない。 とても負担に思う。特に、道徳や総合的な学習の時間の所見は必要性を感じないので無くしたいと強く思っている。
  • 学校によって制約が大きく違い戸惑う。今年異動した学校では、表現で「しっかりと」「丁寧に」「素晴らしい」ほか数々の表現がNGとされ、どの通知表も大きくバッテンをつけられて返された。人格まで否定された気分になり、機械的なスタンプ表現通知表がよしとされているので、一気にどうにでもなれと投げやりな気持ちになった。子どもの良さを生き生きと保護者や本人に伝えてこそと思っていたのに、何ともやりきれない。
  • 通知表の作成には莫大な時間と労力がかかること。それに対して親の通知表への思いは薄く、軽く扱われる。作業量が見合っていない。早急な改善を望んでいます。このままでは現場の教員は疲弊を増していきます。
  • 年2回の個人懇談があるので、通知表に所見は必要ないと思っています。
  • 通知表の作成に時間をかける時間を授業準備の時間に充てたい。

アンケートから浮かび上がる現場のリアルな声

いかがでしたか。通知表は、子どもの成長や学習の過程を伝える大切な役割を担う一方で、特に所見作成において教員の大きな負担となっている実態が明らかになりました。「一人ひとりに向き合いたい」という思いがあるからこそ、時間や精神的な余裕が奪われている現状に、課題を感じている教員も少なくありません。

アンケート結果からは、AIやICTの活用による効率化を求める声が多く挙がる一方で、所見や通知表そのもののあり方を見直すべきだという意見も見られました。負担軽減を図らなければ、現在の形で通知表業務を継続していくことは難しいと感じている教員が多いことがうかがえます。

その一方で、「子どもの成長を言葉で伝える機会として大切にしたい」「年に一度は所見を残したい」と考える教員も一定数存在しており、通知表を今後も続けていくためには、教員の負担を最優先で解消する仕組みづくりが不可欠であると考えられます。

今後も「みん教総研」のアンケートを通じて、教員の働き方や教育現場の課題に向き合い、教員のQOL向上につながるヒントを多角的に探っていきたいと考えています。

教育現場への深いリーチを活かした調査・広告展開が可能です

『みんなの教育技術』は、現役教員を中心とする教育関係者に圧倒的に支持されている教育情報メディアです。今回のように、短期間で5,000人超の現役教員から回答を集められる独自のネットワークを活用し、教育関連企業様・自治体様のリサーチ、PR、広告案件を多数承っています。

教育現場における課題把握や、学校向けサービスのニーズ調査など、お気軽にご相談ください。

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