「イタリアンブレインロット」「まんが家になりたい」…JS研究所&コロコロ研究所 小学生の年間トレンド2025発表
2025/12/17

「JS研究所」と「コロコロコミック研究所(ラボラトリー)」による「2025年小学生年間トレンド調査」では、小学生(男女)を対象に8つのトピックスを分析。ネット発ミームから職業観に至るまで、多様な「好き」と価値観が交錯するα世代小学生のリアルが浮かび上がりました。
目次
イタリアンブレインロット!? 小学生の「言いたくなる言葉」がヒットに
「2025年小学生年間トレンド調査」では、流行語や趣味、将来の夢など8つのテーマを通じて、α世代小学生の“好き”と価値観の広がりを明らかにしています。なかでも注目を集めたのが、「流行語」関するトレンドです。
■流行語
低学年JS(『ぷっちぐみ』読者)の1位は、なんと「イタリアンブレインロット」。
思わず「それ何?」と聞きたくなるこの言葉は、生成AIによって動物や物体が合成された架空のオリジナルキャラクターたちの総称。「なんとなくイタリア語っぽく聞こえる」韻を踏んだ名前のキャラクターがナンセンスな語りや唄とともに紹介される、つい口に出したくなる中毒性が人気の理由とされています。
また、高学年JS(『ちゃお』読者)の上位には、「やばい」「それな」「わかる」など、共感や同意を表す言葉が多く並びました。日常会話の中で自然に使える「共感のコード」が、言葉の流行として定着している様子がうかがえます。
男子(『コロコロコミック』読者)では「ナルトダンス」が1位にランクイン。こちらは中国で流行した「科目三」というダンスを『NARUTO-ナルト-』のキャラクターコスプレで踊った動画がSNSで拡散され、日本の小学生の間でも模倣が広がった現象です。見るだけではなく、「マネして踊る」という体験を通じて男子たちの心をつかんだようです。



こうした結果から、JS世代の流行語は「響きの楽しさ」や「体験との結びつき」「会話で使いやすい親しみやすさ」など、複数の要素がヒットの鍵となっており、年齢や性別によって支持される言葉の傾向にも違いが見られました。
「HIKAKINとSnow Man」男女小学生の“推し”で異なる憧れのかたち
■好きな有名人
男子と女子で異なる憧れの対象が浮き彫りになりました。女子の1位は9人組男性アイドルグループ「Snow Man」、2位には「Mrs. GREEN APPLE」が入り、音楽やダンスに関わるアーティストが上位を占めています。
一方で男子は、「HIKAKIN」が1位、「はじめしゃちょー」が3位に入り、トークやリアクションを得意とするトップYouTuberが人気を集めています。
女子は音楽・アイドル系、男子は動画クリエイター系と、それぞれ異なるメディアに親しみを持っている様子が見てとれます。


■よく見るYouTubeチャンネル
ゲーム実況系の人気が際立ちました。「HIKAKIN」や「ちろぴの」などは男女ともに上位にランクインしており、YouTubeが共通の娯楽体験の場として浸透していることがうかがえます。女子では原宿系インフルエンサーの「しなこ」や、エンタメユニット「すとぷり」など、音楽・ビジュアル要素のあるチャンネルも上位に入りました。


■趣味・熱中していること
女子が「絵を描く」「読書・まんがを読む」といったインドア志向の活動を好む傾向が明らかに。男子は「ゲーム」に加え、「鬼ごっこなどの外遊び」「サッカー」など、体を動かす遊びも上位に入り、友達との関係性の中で楽しむ姿が浮かび上がります。


■宝物・大切にしているもの
女子は「ぬいぐるみ」や「推しグッズ」「アイプリカード」など、好きなものを大切にする気持ちが表れており、男子は「命」や「お金」「勉強」など、現実的で内面的な価値観が上位に並びました。


■一番遊んでいる、ほしいゲーム
女子の「遊んでいる」1位は『あつまれ どうぶつの森』、2位は『マインクラフト』。どちらも「世界を自分で作れる」要素が強く、さらに5位にランクインした『ロブロックス』も含め、「創作・制作」が楽しめるゲームが支持されています。これらは、発売年に関係なく長く遊ばれている点も特徴的です。
一方、男子の「ほしいゲーム」では『ドンキーコングバナンザ』や『マリオカート ワールド』『スーパーマリオパーティ ジャンボリー』など、最新のアクション・パーティ系タイトルが上位に。友達や家族と一緒に盛り上がれる「体験共有型」の遊びが好まれていることがうかがえます。


■一番欲しいもの
傾向の違いは明確です。女子は「本・まんが」や「アイプリカード」「推しグッズ」が上位に並び、コレクションや推し活を通じた楽しみ方が根づいています。男子は「ベイブレード X」や「ポケモンカード」「デュエル・マスターズ」など、バトルや対戦要素を含むホビーが上位を占めました。


■なりたい職業
女子は「アイドル・歌手」「パティシエ」「イラストレーター・画家」など、自分の“好き”や“創ること”を活かせる職業が並ぶ一方、男子は「YouTuber」「ゲームクリエイター」「ゲーム実況者」など、日常で親しむ遊びがそのまま将来の夢につながっています。
『コロコロコミック』でのアンケート結果では2019、2020年頃からYouTuberが「なりたい職業」の1位を獲り続けており、YouTuberの根強い人気がうかがえます。


「まんが家」や「YouTuber・VTuber」は男女ともに上位入りしており、性差による憧れの方向性に違いが見られながらも、コンテンツを消費するだけでなく、“創る側に回りたい”という意識が、小学生世代の間で広がりつつあることがうかがえます。
遊びと夢が地続きに。“好き”が交差する時代へ。共同調査で見えた、α世代のリアルな今
「2025年小学生年間トレンド調査」では、ゲームや欲しいもの、なりたい職業といった項目からは、男女でそれぞれ異なるカルチャーや価値観に親しみながらも、YouTubeやゲームを中心に、“好き”が交わる共通・交差体験も多く見られました。
YouTubeやゲームの“好き”を起点に、将来を自由に思い描き、ワクワクしながら未来へとつなげている姿が浮かび上がります。
JS研究所のちゃお編集部、ぷっちぐみ編集部、コロコロコミック研究所から寄せられたコメントを紹介します。
『ちゃお』コメント
「今回の調査では、男子と女子で異なるカルチャーへの憧れがありながらも、YouTubeやゲームといったデジタルを通じた共通の“好き”が生まれていることが印象的でした。
α世代の小学生たちは、自分の世界を自由に編集し、発信することに自然と親しんでいます。
そうした新しい感性を持つ子どもたちの『好き』や『夢』を、私たちは作品や企画を通して応援していきたいと考えています。
コロコロコミックとの共同調査により、これまで見えづらかった“男女のリアルな価値観のちがい”を立体的にとらえることができました」
『ぷっちぐみ』コメント
「『ぷっちぐみ』でのトレンドアンケートは、女のコの好きなものが集まった!という、THE王道という印象の結果になりました。特に今年の『ぷっちぐみ』はふろくや記事の影響もあり、「ひみつのアイプリ」の人気がとても高く、その結果もかなり反映されていると思います。」
『コロコロコミック研究所』コメント
「今回の共同調査では、男女それぞれの嗜好の違いを持ちながらも、動画・ゲーム・SNSを起点に“好きの交差”が起きていることが明確に見えました。流行語では、低学年女子1位の『イタリアンブレインロット』が男子でも2位に入るなど、SNSミームが性別を超えて浸透。YouTube視聴でも『HIKAKIN』『ちろぴの』が双方で上位となり、共通の娯楽体験が生まれています。また『マインクラフト』が男女ともTOP5に入るなど、創作や共同体験への志向も一致し始めています。さらに“まんが家”“YouTuber”が男女共通の憧れ上位に入り、デジタル時代ならではの“自分もつくる側に回りたい”という意識が広がっていることがわかりました。共同調査により、単独では見えない交差点を立体的に捉えることができたと感じています」
JS研究所・コロコロ研究所から次世代マーケットのリアルデータを分析

JS研究所は、2022年に小学館の『ぷっちぐみ』『ちゃお』編集部が共同で立ち上げたリサーチプロジェクトです。毎月5,000通を超える読者アンケートを定量・定性両側面から分析し、女子小学生の価値観や行動をリアルタイムで可視化しています。誌面づくりだけでなく、企業との共同調査やコラボ商品開発、イベント企画などへの活用も期待され、次世代マーケットの生データを扱うプラットフォームとして注目を集めています。

コロコロコミック研究所は、男子を中心とした小学生の“リアルな声”と“日常の変化”を可視化するリサーチ・企画プロジェクトとして2024年に発足しました(創刊555号記念号より始動)。読者アンケートの分析をもとに、誌面づくりに加え、地方創生やエデュテインメント分野での共同企画など、多角的な展開を行っています。
両研究所では今後も、子どもたちの「好き」や「価値観」の変化をていねいに記録・分析しながら、次世代のトレンドを多角的に捉える「子どもマーケットのシンクタンク」として、社会や企業と未来の読者をつなぐ橋渡しを目指していきます。
<アンケート調査方法>
【ちゃお】
・調査期間:2025年5月1日~5月30日
・集計数 :1000
・調査方法:雑誌のハガキアンケート
【ぷっちぐみ】
・調査期間:2025年5月 1日~ 6月30日
・集計数 :1000
・調査方法:雑誌のハガキアンケート、Web
【コロコロコミック】
・調査期間:2025年4月15日~5月14日
・集計数 :917
・調査方法:雑誌のハガキアンケート
【コロコロコミック】
・調査期間:2025年8月12日~9月11日
・集計数 :1000
・調査方法:雑誌のハガキアンケートおよび一部WEBアンケート
【ちゃお】
・調査期間:2025年9月1日~9月30日
・集計数 :1000
・調査方法:雑誌のハガキアンケート
【ぷっちぐみ】
・調査期間:2025年9月 1日~ 10月31日
・集計数 :1000
・調査方法:雑誌のハガキアンケート、Web
【コロコロコミック】
・調査期間:2025年10月15日~11月13日
・集計数 :480
・調査方法: WEBアンケート
■「ちゃお」編集部公式サイト「ちゃおプラス」
https://ciao.shogakukan.co.jp/
■「ちゃお」編集部公式X(Twitter)
@ciao_manga
各媒体資料ダウンロードはこちら
■コロコロコミック公式WEBマンガサイト「週刊コロコロコミック」
https://corocoro.jp/manga
『コロコロコミック』の媒体資料ダウンロードはこちら:
“現在の子どものリアル”を知る調査レポートについて
小学館では、おもに男子小学生を対象とした「コロコロコミック研究所」、女子小学生を対象とした「JS研究所」による意識や流行に関する調査結果を発表しています。ぜひこちらもお読みください。
コロコロコミック研究所
| 概要 | 男子小学生のリアルを定期レポート |
| ターゲット | 男子小学生 |
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JS研究所
| 概要 | 女子小学生のリアルを定期レポート |
| ターゲット | 女子小学生 |
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