『HoiClue』がアンケートを実施! みんなの園の、暑さのなかでの遊びや工夫を調査。暑い夏の保育現場のリアルな現状とは?

2025/09/01

うだるような暑さが続く、夏。年々暑さが増し、子どもたちの夏の過ごし方も変わってきているように感じます。

そこで『HoiClue』は、保育者に対して「みんなの園の、暑さのなかでの遊びや工夫」に関するアンケートを実施。今回のアンケートでは、夏の子どもたちの変化や、暑い毎日を過ごすなかでの環境や取り組みや工夫、涼を感じられるような遊びなど、現場から声が数多く集まりました。みなさんから寄せられた課題感や、そこに向けて試行錯誤していることなどを広くご紹介します。

■アンケート概要
実施期間:2025年7月14日〜2025年7月28日
回答数:98件

1)夏の暑さによる子どもたちの変化は?

体調に関すること

  • 疲れやすい。だるそうにしている。
  • 疲れやすく、活気がない。
  • 集中力低下。
  • 体調不良が増えてきている。
  • 風邪を引きやすい。
  • 喉風邪多発。
  • 汗をよくかく。
  • 汗をかいて痒いなどの不快感が増える。
  • 湿疹が出やすい。

機嫌に関すること

  • イライラしている。
  • 体調を崩しやすく不機嫌。

食欲に関すること

  • 食欲が少し落ちている子どもがいる。
  • 食欲が落ちた。

睡眠に関すること

  • 水遊びを思いきりすることでお昼寝はぐっすり。
  • 水遊びを行った日は特に昼食前に眠くなっている。
  • 疲れのせいか、お昼寝はよく眠る。

運動に関すること

  • 外に出られずに運動不足。
  • 運動でのストレス発散をしきれていない。
  • 外で遊べず、トラブルが起きやすい。

2)暑さのなか、保育において大変さを感じていること、困っていることはある?

「ある」と回答した人が9割近く、という結果でした。

3)どんなことに困っている?

より多かったのが、「戸外活動など活動への制限」「熱中症のリスク対策」という回答。
続いて「子どもたちの体調管理や情緒の不安定さへの対応」「保育者自身の体調管理」という、体調面に関する課題感を感じる結果になりました。

ここからは、その詳細に関する回答を紹介します。

活動の制限に関する困りごと

  • 暑すぎる日は戸外遊びに制限が出る。
  • 熱中症警戒アラートがほぼ毎日出るので、屋外での活動ができない。
  • 涼しい時間に外に出たいが、朝早くから気温が高く、なかなか出られない。

安全対策に関する困りごと

  • 夏ならではの水を使った遊びをさせてあげたいが、水遊びをするには監視役の保育者が必要な為、保育者不足となると制限されてしまう。また1人担任となると、余計に条件が揃わないと難しい。
  • 水のヒヤリハットを無くす事。

体調管理に関する困りごと

  • 熱中症の対策。園児も保育者も水分補給や休憩を取り入れている。
  • 室内にいても子どもたちは汗をよくかくので、こまめな水分補給を心がけるが、水分が苦手な子どもも多いため、園でできる摂取の工夫などを知りたい。
  • 水分補給が苦手なお子さんにしっかり水分をとってほしいけれどなかなか飲んでもらえないので、強要にならず積極的に水分補給をしてもらうにはどうすれば良いのか苦慮していること。

保育者自身の体調管理に関する困りごと

  • 保育士も体力を消耗する。
  • 人手不足の中でシャワーや水遊び対応が大変。
  • 熱中症アラートを常にチェックしつつ子どもの健康管理もしながら、水遊びする場合はテント設営(毎回組み立て、直す)準備、そして温水シャワー等、保育士数は変わらず仕事は重労働が1番キツイです。

環境に関する困りごと

  • 室温管理。
  • 室温の感じ方などが、環境や活動内容、個人差が大きく、対応に保育者の温度差がある。
  • エアコンが2つあるのに1つしか使わせてもらえず熱中症が心配。(電気代、子どもが冷えすぎるとかわいそうといった理由)

4)大変さのなかで模索しながら見つけた(もしくは今模索中の)環境や取り組みの工夫

水分補給に関すること

  • こまめに水分補給。
  • 以前は園で麦茶を用意していたのを、各自水筒を持参してもらうことにした。(1才児クラスも)
  • 水筒のサイズを大きめにしてもらっている。

体調を考慮した環境や取り組み

  • 空調管理。涼しさを感じる環境設定。
  • クールダウン部屋の設置。クーラー等での気温、湿度の管理。(障がい児の発達支援施設)
  • 食欲がない子は無理強いせず寄り添っています。

身体を休められる環境づくり

  • できるだけ、のんびりできる空間や時間を取るようにする。
  • 2時くらいから3歳児のゴロゴロタイム(幼稚園)
  • いつも以上に休憩をとる。

“涼”を取り入れた環境づくり

  • 部屋の中でも涼を感じられる遊びを模索中。(寒天遊び、水風船、氷遊びなど)
  • 室内でも水遊びをする。
  • 水遊びが殆どできないので部屋で行っています。

屋外の環境や過ごし方にまつわる工夫

  • 暑くて外遊びがギリギリできない時は、広めのベランダに日差しを遮るビニール製の屋根を用意して、その下でおもちゃを広げて短時間遊んで環境を変えたりしている。
  • できるだけ日陰を選んで遊ぶ。
  • なるべく早い時間に戸外に出る。タープなどをはって日陰を作る。

室内での過ごし方・環境にまつわる工夫

  • 室内で出来る体操や運動を取り入れたり、他クラスからおもちゃを借りたりしている。
  • クラスの中だけでなく横のクラス(異年齢)と連携して過ごす。
  • 普段は使わない部屋を開放して、身体を動かしている。

5)日中、子どもたちとどのように過ごしている?

0〜2歳児

室内で水遊びのようにしたり、園舎内を散歩しています。
(こども園・0歳児/宮崎県)

部屋で過ごせる感触あそび。
(こども園・0歳児/滋賀県)

感触あそび、運動あそび、指先遊び。
(認可保育所・1歳児/埼玉県)

3〜5歳児

朝早い時間は戸外遊びをし、シャワーを浴び涼しい部屋での室内遊び。
(こども園・3歳児/山梨県)

かんてん遊びや色水遊びなど見た目で涼しげな遊びを取り入れている。普段は上靴を履いているが裸足で過ごす時間をつくる。
(幼稚園・3歳児/千葉県)

お部屋の中でストレッチや体を動かす遊びを取り入れたり、静かに座って遊べる塗り絵やパズルを取り入れて、動と静の時間を持てるようにしている。
(認可保育所・3歳児/埼玉県)

特に担当年齢なし

日除けをしてテラスでの水遊び。
(こども園/新潟県)

戸外は、朝の涼しい時間で、木陰やサンシェードの下などで遊べる環境を作る。
(こども園/栃木県)

10時以降は暑くなるので10時までに水遊びやプール遊びができるように設定している。
(企業内託児所/山口県)

6)涼を感じる遊び、夏だからこそ楽しんでいる遊びアイデア

0〜2歳児

布団圧縮袋に色水、ゴム製金魚を入れて感覚遊び。
(認可保育所・0歳児/栃木県)

氷を触る。
(地方自治体独自の認証保育施設・1歳児/愛知県)

氷、泡、寒天、噴水、どろんこ、池や水路。
(認可保育所・1歳児/長野県)

3〜5歳児

空き容器に草花を入れたり、色を付けたりして凍らせ、翌日手で溶かして遊ぶ。濃い色を付けて凍らせ、クレヨンのように絵を描く。
(幼稚園・3歳児/千葉県)

氷でテラスにお絵描き。
(認可保育所・3歳児/埼玉県)

廃材で氷を作り、タライに入れて感触あそび。
(こども園・3歳児/山梨県)

特に担当年齢なし

室内で氷を使って遊んでいる。
(企業内託児所/山口県)

氷や水風船で遊んでいる。
(企業内託児所/鹿児島県)

シャボン玉、水あそび。
(児童センター/北海道)

7)アンケート回答者の属性について

勤務先

暑さと戦う保育者さんの声から見えた“夏の園のリアル”

暑い夏の保育現場でのリアルな現状や課題感、そのなかでの保育者のみなさんの想いやさまざまな工夫が伺えるアンケート結果となりました。アンケートを実施したのが7月中頃だったこともあり、回答いただいた時期よりも厳しい暑さが続いている8月は、より限られた環境下で子どもたちと過ごしている保育者さんも多いようです。

地域や園の形態、子どもたちの年齢やにより、環境のつくり方や配慮、過ごし方もそれぞれだと思いますが、できるだけさまざまなアイデアや工夫に触れられるよう、みなさんから寄せていただいた声を、広くご紹介しました。

いつも以上に神経と体力を奪われがちなこの時期。『HoiClue』では子どもたちはもちろん、保育者自身の体調も大事にしながら、この夏を子どもたちと楽しめそうなアイデアや情報をお届けしていきます。

また『HoiClue』では今後も様々なテーマでアンケートを実施し、みなさんの声を共有していく予定です。ご期待ください。

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