すべての働く女性を応援する女性ファッション誌です! 『Oggi.jp』田中ゆか編集長インタビュー
2025/04/16
企画力とモデルの個性を生かした、Webらしい記事を制作しています
田中ゆか編集長は、2002年に小学館入社。『CanCam』から編集者キャリアをスタートさせ、『AneCan』、『美的』を経て、Oggi/Domaniブランド室に異動後に『Oggi.jp』『Domani』のWeb編集と雑誌編集兼任。その後Web専任を経て、2024年10月より現職に。

本誌が30年以上培ってきた〝働く女性〟の知見を反映
日本の女性ファッション誌の王道として、長年支持されている『Oggi』のWebメディアが『Oggi.jp』です。
「コアユーザーは雑誌と同じ20代~30代と同じですが、『Oggi.jp』はWebという間口の広さから40代まで含まれる、幅広い年代の方がユーザーです。デジタル全般を担うので各種SNSを手がけていますが、中でも40万人超えフォロワーのインスタグラムはファッションメディアではトップクラスで、競合と比較すると圧倒的です」
これまでのキャリアから紙媒体・Web媒体を双方の読者をよく知る田中編集長は、それぞれの読者が好む傾向を分析します。
「私が考える雑誌を購入する読者は、本当にファッションが好きで、掲載される洋服が買いやすい控えめの価格ばかりだと実は満足しません。お値段がしっかりめでも、憧れられる洋服が多く掲載されていることを好む、憧れの雑誌なんだと考えています。逆にWebで支持を得るのは、試着しなくても今すぐ買える価格帯の洋服。内容を自分ごとにして、カジュアルに取り入れる傾向があるんだと思います」
そこで、Webに投入した新企画は、近年の大人向けの雑誌ではダウントレンドになっている「着回し企画をプチプラで展開する」ことでした。
「ファッション企画は本誌の転載がメインですが、Webでしか読めない撮り下ろしコンテンツを試してみたいとWebオリジナル企画として発信したのが、価格を抑えた『プチプラアイテムだけの10日間のコーデ』でした。着回し企画の場合は翌日や前日のコーデも見てもらえるので回遊率が高くなりPVに大いに貢献してくれました。反響の高さに、それからは季節ごとに設定を変えて年4回公開しています。
今年は「デジタルから出張」的に本誌でもやってみることになり、Webから本誌への派生という新しい流れが生まれました。チャレンジできる企画が多いことの証明にもなったので、積極的にWebオリジナル企画を試していきたいと思える契機になりました」
田中編集長の紙媒体でのキャリアがあってこその企画ですが、それに加えて『Oggi.jp』はモデル力も最強。専属モデルの飯豊まりえ、朝比奈彩、泉里香、滝沢カレン、古畑星夏、髙橋ひかる、レギュラーモデル、オッジエンヌ(専属読者モデル)など雑誌で活躍されている方たちがそのままWebにも出演されています。
「モデルのYouTubeチャンネルで本誌撮影の裏側を紹介したり、企画を深堀りしたり。ごYouTube登録者数20万人以上の朝比奈彩さんや古畑星夏さんと『Oggi』がコラボした、様々なアイテムをアツく紹介する『褒め褒め♡朝比奈』『はじめまして、古畑です』など、モデルを生かした企画を展開できることが強みのひとつですね」
一例として、専属モデル・古畑星夏さんがサーキットでレースアンバサダーと対面するトヨタ自動車のPR記事も。
「女性誌ではこれまであまり機会のないPR内容だったと思いますが、クルマが好きで仕方ないという古畑星夏さんの個性あってこそでした。雑誌掲載ページの転載としてWebに掲載されていますが、内容的にWebやSNSとの相性がよく、数字が伸びていると感じます。クライアントが『Oggi.jp』にも出稿したから面白くなったと言われるように、注力しています」
従来の女性誌Webとは毛色が異なるタイアップにも積極的。本誌からの移植も含めて、ファッション・仕事・美容・ライフスタイル・恋愛&結婚・占いと、コンテンツを幅広く揃えていますが、楽しみや消費に直接関連する情報以外も積極的に扱っています。
「不妊治療の悩みを抱え始めるのが『Oggi』世代です。雑誌、Webともに独自の企画を展開していますが、過去には浅田レディースクリニックとインスタのライブやリアルでコラボイベントを開催しました。これからは治療体験者のインタビューを通して、『Oggi.jp』が読者の悩みに寄り添う企画も考えられるかもしれません」
コア読者は20代~30代なのもあり、独身で働いている、既婚者でまだ子どもがいないで働いている、ママで働いている、など様々です。
「私自身、いくら大好きな雑誌『Oggi』でも、子供を産んだら読めないんじゃないかと思っていました。実際に自分が母親になってみて実感するのが、出社前に保育園に立ち寄ることが前提なので〝ほどほど〟の服でしか出社する気持ちになれないこと。動きやすい・汚れてもいい・自転車に乗れることを優先して何年も過ごしていたら、このインタビューに伴い撮影があると聞いても、何を着ていくのか本当に迷ってしまい……。キラキラでもなく、仕事と育児にお疲れな雰囲気でもない〝ちゃんとした服〟がわからなくなってるんですよね。そんな人は、意外と多いんじゃないでしょうか」
その実感をもとに、本誌にはない展開もできると考えているようです。
「結婚して仕事を続けながら出産、育休が終わったら働くことが当たり前という生活が女性に浸透しています。働いています、ちなみにママです、という生き方になってきたんでしょうね。ただ、雑誌のファッションは働くママには少し着こなしに手がかかりすぎて現実味がない。そこをWebが汲み取る。ママとしての働き方とファッションの情報を手軽に収集できるような企画を積極的に考えていきたいですね。Webで試せて反響が大きければ、今後は雑誌にも活かせると思います」
すべての働く女性の悩みに寄り添えること、フレキシブルに企画を展開できることが『Oggi.jp』の強みといえます。
読み物も強い。働く女性、働くエグゼクティブは読者に求められている
20代~30代をメインに、属性が独身・既婚・ママと多岐にわたるだけに、タイアップもファッションや美容のみならず、幅広いジャンルに対応できる媒体力を持つ『Oggi.jp』。が次の企画として考えているのが「旅行」です。
「旅をすることが好きな読者が多いのもありますが、まず取り上げたいのは女性でも機会が増えている『出張』です。スーツケースひとつとっても、女性が使いやすいように進化していますし、便利アイテムも豊富。Webで先行するのもいいですが、雑誌で企画した後にデジタルで引き継いで、雑誌Webの役割を明確にする印象づけに使うのもいいかもしれません。『Oggi』らしいけど雑誌では毎号毎月は掲載できないテーマのコンテンツを積極的に作っていくことこそ、Webの役割です」
さらには、働く女性にフォーカスをして、こんな企画を心に温めてもいます。
「ライフスタイルのコンテンツを積極的に増やしていきたいですね。特に、注力したいのは女性役員をインタビューで取り上げる記事です。現在でも若い方に好評で数字を伸ばすのが、働くエグゼクティブや様々な分野で活躍する女性のインタビューなんです。働く女性のためという媒体イメージが強いのもあるのですが、普段はターゲットではない方の流入も多いのが特徴。現行のWorkコンテンツの『先輩インタビュー』をブラッシュアップしていきたいですね」
加えて、動画にも注力していきたいそうです。
「動画スキルの高いチームを作るのは、前編集長から引き継ぐ一番の目標です。『働くOggi』をテーマにしたYouTubeにもトライして、『Oggi』という世界ができていく過程、いわば『裏側』のファンを作りたいと思っています。いずれはクライアントの皆様にも、このコンテンツを使って商品をPRしたいと思ってもらえる人気企画を作りたいです」
様々な企画を温めている、田中編集長の仕事の流儀は……。
「企画がなければ、タイアップに興味を持っていただけないですし、話も進みません。具体的に話せるように、色々なことにアンテナを張っていきたいと思っています。ファッションが好きで、美容企画を主軸に様々な企画に携わり女性メディアの醍醐味を味わってきましたが、デジタルはなんでも屋。あらゆるジャンルに敏感になり、タイアップもWebオリジナル企画も邁進してきたいと考えています」
最近、小学生の娘と劇団四季の『アナと雪の女王』を観劇し、改めてファンの熱量を実感したという田中編集長。エンタメの取材にも注力をしたいと思ったばかりとか。独自の視点で切り込んでいくオリジナル企画、ユニークなタイアップ企画は、今後も面白いことになりそうです。
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