「マンガ大賞2025」大賞&2位をスピリッツ作品が独占!! トップ10に4作品ランクインと小学館が賞を席巻!!
2025/04/18

今年で18回目を迎える「マンガ大賞2025」の授賞式が、3月27日に開催されました。大賞に輝いたのは『ビッグコミックスピリッツ』連載中の『ありす、宇宙(どこ)までも』。本賞では、小学館作品がトップ10に4作ランクインし、多彩なラインナップが支持を集めました。
目次
“今、いちばん薦めたい”作品に。『ありす、宇宙までも』がマンガ大賞2025大賞受賞!
「今、最も人に薦めたいマンガ」を選ぶ「マンガ大賞2025」の授賞式が、3月27日に開催されました。選考員はマンガをこよなく愛する有志によって構成され、2008年の創設以来、読者の熱量を反映した“マンガファンによるマンガファンのための賞”として注目されています。
小学館作品は初代大賞の『岳』(作/石塚真一:2008)以来、『銀の匙- SilverSpoon-』(作/荒川 弘:2012)、『海街diary』(作/吉田秋生:2013)、『響~小説家になる方法~』(作/柳本光晴:2017)、『葬送のフリーレン』(作/山田鐘人 画/アベツカサ:2021)、『これ描いて死ね』(作/とよ田みのる:2023)が歴代の大賞を受賞。第18回となる今回は『ビッグコミックスピリッツ』で連載中の売野機子氏作『ありす、宇宙(どこ)までも』が大賞に選ばれました。
『ありす、宇宙までも』は、日本人初の女性宇宙飛行士コマンダーを目指す少女・朝日田ありすの奮闘と成長を描く物語です。セミリンガルという言葉のハンデを抱え、コミュニケーションに悩む彼女が、クラスメイトである孤高の天才・犬星との出会いをきっかけに夢に向かって歩み始めます。成長ドラマに宇宙というスケール感を重ねた本作は、多くの読者の心をつかみ、大賞作に選出されました。
作品には、JAXA元職員や宇宙飛行士・山崎直子氏への取材に基づく緻密な裏付けが反映され、物語に奥行きとリアリティを与えています。さらに、NASAが女性宇宙飛行士の月面着陸を目指す「アルテミス計画」など、現実の宇宙開発の動向ともリンクしており、社会的な背景と響き合うテーマが、作品の魅力を際立たせています。
作者の売野機子さんも授賞式で「マンガ大賞をいつか取りたいなと思って作品を描き始めたところもあるので、こうして受賞できて本当にうれしいです」「宇宙は物理的に距離が離れているからこそ、大きな目標の象徴として描ける。誰もが憧れる職業として、宇宙飛行士はうってつけだと思いました」と、受賞の喜びと本作に込めた思いを語りました。
普遍的なテーマと丁寧な描写は、多くの選考員からも高い評価を集めました。
「読んでるだけで、自分も成長していけるような知識と感情のつながりを感じることができる作品」(WEB 制作・ディレクター/河本智芳氏)、「読んだら分かるからという感動的な面白さの作品」(芸人 /ムーディ勝山氏)など、強い共感と支持を得ています。 これからどんな未来がふたりを待っているのか――今後の展開にもぜひご注目ください。
マンガ大賞とは
出版社や編集者などの利害関係者が関与せず、書店員を中心に有志による選考員、実行委員が手弁当で運営する漫画賞。選考対象は前年1月1日~12月31日に発売された単行本(電子含む)最大巻数8巻までの作品。一次選考を通過した得票数上位10作品が二次選考にノミネートされ、選考員が全作品を読んだ上で「最も薦めたい3作品」を選び、最終的な「イチオシ=大賞」を選出する、情熱にあふれた選考プロセスが特徴。
大賞『ありす、宇宙までも』

『ありす、宇宙までも』は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中!

ビッグコミックス
『ありす、宇宙までも』
作/売野機子
多彩なジャンルがランクイン! 小学館作品が4作トップ10入り
今回の『マンガ大賞2025』では、大賞受賞作『ありす、宇宙までも』を筆頭に、トップ10内に小学館連載作品が4タイトルも名を連ねました。
第2位に選ばれたのは、鍋 倉夫氏作『路傍のフジイ』。「普通のサラリーマンがある意味心の“ヒーロー”になる。フジイのぶれない、芯があり、偏見や忖度のない“まっすぐなフジイさんの生き方”に惚れる。今の時代に必要なのかもしれない。」(三省堂書店海老名店・コミック担当/近西良昌氏)など、一見目立たないサラリーマンの“ぶれない生き方”が周囲の人々を変えていく様子が反響を呼びました。
第8位の田村隆平氏作『COSMOS』は、宇宙人専門の保険調査機関が舞台。「異星人による犯罪組織との戦いというメインストーリーより、その合間に描かれる自分の星を捨てて地球で1人で生きていくことを選んだ個々の異星人たちの物語は『YOUは何しに日本へ?』を見ている時のような不思議な感動があり、面白い。」(丸善ジュンク堂書店・書店員/小磯 洋氏)といったコメントも寄せられるなど、異星人たちの人生模様と地球での生き方がコミカルに描かれています。
第9位のこだまはつみ氏作『この世は戦う価値がある』は「『一度すべてリセットして、自分のために生きられたら』――現実の自分の世界では、踏み切れないこの思いを、見事漫画の中で昇華してくれており、爽快感を与えてくれる。」(広告会社 プランナー/平沼良章氏)など、パワハラに苦しむ女性が自己解放し、自分の人生を取り戻していく姿に共感が寄せられました。
多彩なテーマを持つ作品が並んだ「マンガ大賞2025」のランキング。ジャンルも切り口も異なる作品が選ばれたことで、漫画の多様性とその魅力の広がりが際立つ結果となりました。小学館はこれからも“今、誰かに薦めたい”という想いに応える作品を、読者のもとへと届けていきます。
2位『路傍のフジイ』

『路傍のフジイ』は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中!

ビッグコミックス
『路傍のフジイ』
作者/鍋 倉夫
8位『COSMOS』

『COSMOS』は「サンデーGX」で連載中!

サンデーGXコミックス
『COSMOS』
作/田村隆平
9位『この世は戦う価値がある』

『この世は戦う価値がある』は「ビッグコミックスピリッツ」で連載中!

ビッグコミックス
『この世は戦う価値がある』
作/こだまはつみ