漫画にからめたタイアップは単発企画でも連載でのコラボも可能なので、まずは気軽にご相談ください。
『Sho-Comi』中田健一編集長インタビュー

2023/04/21

女子中学生の憧れが詰まった漫画で、マスな読者をつかんでいます

中田健一編集長は1995年に小学館に入社し、『ちゃお』編集部に配属。以来、少女漫画誌から離れることなく、5年在籍後に『Sho-Comi』に異動して5年、『ChuChu』に1年、『Sho-Comi』に戻って4年弱、デジタル少女漫画誌『モバフラ(mobile flower)』に1年、また『Sho-Comi』に戻って3年、『Cheese!』に2年、『ベツコミ』に4年弱、『ちゃお』に1年在籍し、2022年に『Sho-Comi』編集長に就任。男性では珍しい生粋の少女漫画編集者で、『Sho- Comi』には通算13年近く在籍。

漫画のライトユーザーを積極的に取り込んで、逃さない

『Sho-Comi』は1968年創刊(旧誌名『少女コミック』)の少女漫画誌のパイオニア。メイン読者の女子中学生が憧れる、恋のドキドキとキラキラした夢にあふれる王道の少女漫画誌で、映像化作品も多数輩出しています。

「読者の中には、『Sho-Comi』をずっと愛読してくれて、今はOLさんとかお母さんになっている方もいますが、ボリュームゾーンはやはり女子中学生、12〜15歳くらいのローティーンです。雑誌の位置づけとしては、小学生女児向けの『ちゃお』の読者を受けて、次は『ベツコミ』や『Cheese!』に流していく、というのが一応の基本姿勢です。読者の特性は、同じ世代の中でも、ゴリゴリの漫画好きのヘビーユーザーというよりは、もう少しライトな層。『ちゃお』から上がってきてくれて、漫画で女の子のかわいい、ストーリーがわかりやすい恋愛を読みたいという女子中学生が、メイン読者かなと考えています」

ライトな層は漫画ユーザーのマス部分であり、ターゲットとなる数は多いといえます。

「マスを狙うのはいいんですが、その一方で、ものすごくコアなユーザーのほうが、雑誌が出たら必ず買ってくれるとか、他の作品や作家さんにあまり浮気をしないとかがあると思うんですよ。ライトユーザーは他におもしろいものがあったらすぐに移っちゃう可能性が高いので、そこを逃さないようにしないといけない。まずは新規読者が入りやすくするためにできるだけ漫画をわかりやすくして、漫画のほかにも付録や企画記事などで、ライトな層をなるべく積極的に取り込む。ライトな層をどれだけ流入させて、かつ滞留させるかが一番の課題です」

流入した読者を滞留させる一番のポイントは、やはり漫画の魅力、おもしろさです。

「最初は付録などにひかれて入ってきた読者に、最終的に残ってもらうには漫画の力しかないと思うんです。心がけているのは、連載途中から入っても全体像が理解できて、その先を読みたくなる、わかりやすくて引きの強い漫画です。途中から読むとわけがわからず、前に遡って読まざるを得ないという作り方も、とくに通好みというかコアなユーザー向けの漫画にはあると思うんですけど、どうしても人を選んでしまう。ライトな読者はせっかく入ってきてくれても、わからないとすぐに出ていってしまいやすいので、まずはわかりやすく、あと読み切り漫画も必ず入れています。まぁ、初心者にもなじみやすくというのが一番の方針で、ベタなやり方ですけど、結局はそれが読者の滞留を促す近道かなと思うので」

漫画誌ならではの印象的なアピールができるタイアップ

効果の高いタイアップとしてはまず、商品の魅力を直接読者に伝えられる付録があります。

「年に2回、新春と5月の GWに出す合併号は販売期間が少し長いので、付録もいつもより豪華にして、メーカーさんとコラボしたグッズをスペシャル付録としてつけることが多いです。よく組ませていただいているのはティーン向けのアパレルブランドさんで、『Sho-Comi』との親和性が高いなというのはずっと感じています」

そして漫画誌ならではアプローチで、読者の印象に強く残る訴求ができるのが、漫画にからめたタイアップです。

「例えば、アパレルブランドさんの新作を人気漫画のキャラクターに着せるというタイアップがあり、これは単発の企画としてもできますし、連載でのコラボも可能です。以前には、連載作品にファッションアドバイザー的な人物を登場させ、その人物が毎回アパレルブランドさんの服をコーディネートして主人公に着せる、ということをやりました。完全に漫画の中に入れ込んで、ブランド名を協力のクレジットに出す形のタイアップだったんですが、そういうアプローチもできるというか、まぁ一つのテストパターンですね。漫画家の先生と相談しながらコーディネートを決めるのは大変でしたけど、やりがいはありましたよ」

また、アパレルブランドのほか、ソーシャルゲームなどとも親和性が高いと思うとのこと。

「以前の事例で、ゲームのキャラクターとコラボして、『Sho-Comi』の中でそのキャラクターの読み切りストーリーを作ったんです。キャラクターを漫画で展開して一つの作品を作るのに、すごく向いている雑誌だと思いますよ。それに先に言ったように、読者はエンタメに対してライトな考えを持っているユーザーが多いので、そういうマスな層を取りにいきたいということであれば、うってつけの媒体なんじゃないかと。ゲームも漫画と同様、コアにハマってくれるというより、移り気なところがあるとは思うんですが、ライトなだけに入ってくる潜在的な数は多いので、そのうちの何%かが残ってくれれば、それはそれで相当な効果がある。そういう方向を狙ってうまく使っていただきたいですね」

メーカーが持つブランド力と漫画のブランド力をうまく融和させることで、大きな効果が期待できます。

「商品や企画の内容によって、さまざまなアプローチができると思います。人気漫画のキャラクターに商品をからめて、そのキャラのファンを取り込むという手もあるし、逆に読み切りで新しく何かを作って、そういうコラボレーションをしたこと自体に話題性を持たせるのがいい場合もある。漫画の読者をどう商品の購買につなげていくかは、こちらとしても未知の部分があるので、『Sho-Comi』が持つユーザー層に魅力を感じていただけるのなら、まずは気軽にご相談いただきたいですね。何となくふわっとした感じでもいいので、こんなことがやりたいんだけどというお話があれば、こちらもいろいろアイデアや、漫画の現場ならではの意見も出せると思います。この商品には絵柄的にこういう作家さんが向いているんじゃないですかとか、この作家さんは今勢いがあって旬ですよといった提案もできますし」

今後の展望としては、年6回奇数月に出している増刊の『Sho-ComiX』のほうでも、タイアップに力を入れたいとのこと。

「増刊は読者の年齢層が少し高めなんですね。そもそも作品の登場人物設定が大体OLとか大学生になっていて、完全に本誌より上のゾーンを狙っている雑誌です。本誌を卒業した読者のほか、大人なので『Sho-Comi』はちょっと、という新規読者も入ってきてくれているのかなと思います。作家さんにはもともと本誌で描いていただいていた先生が多く、『Sho-Comi』イズムというか、大人の恋愛なんだけどどこか初々しさやわかりやすさを残したストーリーがメインで、星森柚稀も先生の『おとなの初恋』という作品は今だいぶ火がついてきています。こちらも本誌と同様のコラボができるので、OLや大学生にアピールしたいメーカーさん、『Sho-Comi』読者層の延長線上にある大人の層を取り込みたいメーカーさんがありましたら、ぜひ、という感じですね」

実は獣医学科出身で、獣医師免許を持っている中田健一編集長。大学時代にアルバイト代をすべて漫画につぎ込み、週刊漫画誌もコミックスも手あたり次第に買って4〜5千冊のコレクションを築いたという漫画好きで、就職の際には製薬会社なども受けたものの、漫画の編集をやれるのならと、あっさり小学館に入社。趣味を仕事にすると楽しめなくなるぞと言われつつ、漫画編集の仕事が素でおもしろくて、趣味は何ですかと問われれば、漫画の編集をすることです、という答えになってしまうとのこと。そんな漫画一筋の中田編集長は、『Sho-Comi』の魅力をより広げていきたいと意欲を燃やしています。

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