編集長インタビュー 『ちゃお』藤谷小江子編集長

2022/06/29

雑誌への信頼感が強く、熱量の高い読者が集まっていることが強みです!

藤谷小江子編集長は2003年に入社し、ビジネスパーソンのライフスタイル誌『DIME』に配属。漫画誌の編集に携わりたいと思いつつ、文具好きでデジタルにもくわしかったため、同誌との相性もよく約8年間在籍。その後、念願かなって、2010年に少女漫画誌『Sho-Comi』に異動。第2子出産後、職場復帰して2015年に『ちゃお』へ。2019年に編集長に就任。

子どもたちが毎日を楽しく暮らすための情報を提供

15年以上、少女漫画誌発行部数No1.の『ちゃお』。メイン読者はごく一般的な小学生らしい女の子で、今の女子小学生の大多数がターゲットだと藤谷編集長は語ります。

「大人向けでは失われつつある『大衆雑誌』が実現できていると思っているんです。『ちゃお』は漫画誌ですが、子どもの生活情報誌でもあり、カルチャー誌でもあり、そういう意味でマガジン、雑誌だということを強く意識しています。小学生の女の子に、あなたの人生ってこんなに楽しいんだよっていう、ポジティブな情報がぎゅっと入っている雑誌ですね」

女子小学生の「今」を正確につかむための、重要な情報源が読者アンケート。毎月、1万通を超えるアンケートはがきが返ってきます。

「すべて手書きで、はがき部分を切って、書いて、切手を貼って投函するという手間をかけてくれる子が1万人いて、その子たちに毎回いろんなことを聞くんです。例えば好きな色とか、どんな習い事をしているかとか。普通マーケティングで1万人の小学生に回答を手で書かせるのは難しいと思うんですけど、それができるのが『ちゃお』の強みかなと」

子どものデジタル環境が整いつつあるのに、あえてデジタル化しないのは、手間をかけることで、子どもたちのアンケートに対する向き合い方が違ってくるから。そして、読者の親御さんの存在も大きいとのこと。

「小学生向け雑誌のよさって、親の管理下にあることかなと思っているんです。雑誌を買ってくれることもそうですが、子供がアンケートを書きたいと言ったら、今の時代おそらく一般家庭に常備されていない切手をわざわざ買ってくれる。そこに子どもに対する愛情が感じられて、そういう親御さんが読者のうしろにいることもうちの強みかなと思いますね」

毎号、情報記事が充実している同誌ですが、おもちゃやグッズなどのタイアップでは、たんにモノを紹介するのではなく、そのモノを手に入れたときの楽しみ方を提案しています。

「それは私が『DIME』というライフスタイル誌にいたからでもあるんですけど、そのモノが人生にもたらされることでこんな喜びがあるよという提案を、必ずするんです。例えば、このおもちゃがいい、だけじゃなくて、そのおもちゃでお友達と友活パーティーをしようとか。モノを手に入れること自体ももちろん喜びですけど、その先、それで生活を楽しむためには絶対にノウハウが必要だと思うんですよ。雑誌はそのノウハウをおもしろく伝えるのにいい媒体だと思うし、やっぱりそこに力を入れたいですね。それがクライアントさんにも評価されていると思っています」

女子小学生の心をつかむ多角的なアプローチ

これまでのタイアップで特に成果が高かった企画には、二通りあると藤谷編集長。

「一つは、一定の売り上げ数が必要な、例えばゲームソフトなんかですね。メーカーさんは最初、小学生向けの一番大きい媒体だから、ということで出稿してくださるんですが、非常に反響がいいんですよ。購入者アンケートで、買ったきっかけは『ちゃお』という回答がすごく多くて、その後、再度出稿してくださるケースが多いんです。それは媒体への読者の信頼感があるということと、あと、うちの読者は雑誌を1か月かけてじっくり読む子が多いので、そうやって読んでいるうちに紹介されているものに愛着がわくのかなと」

もう一つは、アナログ的な手法を活かしたもの。例えば、日本郵便とタイアップした「ファンレター企画」では約2万通ものはがきが届きました。

「うちの読者はお絵描きも大好きで、誌面では『お絵描きコンテスト』も人気の企画ですが、おそらく女の子たちには、何かを書いて人に届けたいというような欲求があって、それが媒体と合っているんだと思います。あと、自分で作るタイプのおもちゃ等も読者との相性がいいですね」

YouTubeの「ちゃおチャンネル」や、テレビ東京系のキッズ向け情報バラエティ番組「おはスタ」とのコラボなど動画企画にも力を入れています。またビッグイベントとして「ちゃおフェス」があり、2020年、21年はオンラインでしたが、2022年はリアルイベントとして開催します。

「オンラインでもうまくいっていたんですけど、やっぱり読者に直接会いたいなと。子ども向け商品のメーカーさんも、PRはYouTubeでという流れになっていますが、やはり子どものリアルな反応を見たいと言ってくださる方は多いですね。『ちゃおフェス』は親子双方に直接アピールできる絶好の機会ですし、来場者はみんな熱量が高くて、ブースもステージも全部見て回るんですよ。協賛企業さんは、親御さんも含め大勢の人がほぼ一日中会場にいて、自分のところの商品に触れるのに1時間以上待ってくれることもあるのがすばらしいと言ってくれます」

今後のタイアップの展望としては、漫画誌ならではのキャラクターを使ったコラボや教育系のコラボを企画してみたいとのこと。

「キャラクターを使ったタイアップは一般的にハードルが高いと思うんですが、『ちゃお』の漫画家の先生たちは非常に協力的なんです。一緒に雑誌を盛り上げようというような気持ちを持ってくださっていて、それは本当にありがたいことだと思っています。ですので、そういったタイアップも気軽にご相談していただきたいですね。それと、子どもにとって親の目線が出てくることは興醒めになるので、教育的なことはこれまであまり入れないようにしていたんです。でも、ちゃおの読者は親御さんに大事にされている子どもたちなので、大人目線をうまく入れて、エンタメ誌として興醒めさせないようなアプローチができないかなと考えています。例えば、勉強の仕方やスマホの使い方などの提案は楽しくできると思うので、そちらの方向も探ってみたいです」

また衛生用品などの日用品も、アピール効果が大いに期待できるジャンルです。

「人生で一番最初に出会った商品、ブランドはその後ずっと使い続けることが多いと聞きますが、小学生の女の子にとっては、最初に出会う商品だらけですから。日用品は本来は親が決めるものですけど、それをあたかも自分が決めたように演出して、毎日を楽しませることは雑誌がやれる仕事だと思います」

週末は必ず郊外型のショッピングモールへ足を伸ばし、ファンシーショップなどで子どもたちに人気の商品をチェックするという藤谷編集長。読者に負けず熱量の高い編集長の手腕で、より魅力的な媒体へと、これからも『ちゃお』は進化していきます。

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