子どもの興味や関心を広げるアプローチはお任せください。
『小学一年生』齋藤 慎編集長インタビュー
2023/05/19
何が求められているのかを的確に把握して、常に方向を微調整しています
齋藤 慎編集長は1994年に小学館に入社。『小学一年生』編集部に配属後、『小学三年生』に異動。『ドラネット』(CD-ROMを使った学習教材)、ネットコンテンツ部を経て、再び学年別学習誌に戻り、『小学五年生』『小学三年生』『小学四年生』を担当。その後、ドラえもんルームで『ドラえもんふしぎのサイエンス』(付録付きの科学ムック)を編集。『小学二年生』に異動後の2017年、小学生全学年を対象とする『小学8年生』の創刊に携わり、編集長に就任。2021年10月より『小学一年生』編集長を兼任。

楽しく読んで、遊んで、読解力や知識が身につくコンテンツ
創刊は大正14年。『小学一年生』は小学館の〝顔〟ともいえる学習雑誌。小学校入学という人生の転機にある小学1年生世代と、その保護者層に向けた唯一無二の媒体として、長年支持されています。子どもの好奇心に応えることを第一に、楽しみながら知識を広げ、能力を伸ばしていく雑誌を作るという編集理念は創刊当時から変わらないと齋藤編集長。
「編集長就任にあたって、原点を知ることも必要かと思い、会社の社史を読み込んだんですが、100年前の先輩たちと今僕らがやっていることは全く同じだなと。昔は学業向上に直結するような位置付けの本だったのが、その後いろいろ優れた学習教材が出てきたことから、学校では教えてくれない、いわゆる国語・算数・理科・社会の教科の枠には入らないような学習というか、広い意味での学習心を刺激する方向になってはいますが、子どもの好奇心に応える、刺激するという姿勢はずっと変わっていないですね」
季節や年間イベントのタイミングに合わせ、文房具、工作、スポーツ、アウトドア、乗り物、お菓子、動物、SDGs、防災、工場見学、お仕事、映画等々、子どもの興味をそそる多彩なテーマを特集。連載企画では、考える力を育てるクイズやアクティブラーニング、料理ページ、漫画もあり、ドラえもん、ポケットモンスター、名探偵コナンといった大人気キャラクターが誌面を盛り上げます。さらにしっかり遊べる付録がついているのも大きな魅力です。
「読者の男女比は大体半々くらいですね。内容がどちらか向きに偏らないようにしています。エンタメ要素には多少男女の差があっても、学習には差はないと思いますし。親御さんは生活に割合ゆとりがあって、書店に行くという行為が習慣になっている方々かなと思っています。頻繁に書店に行っていないと、我々の本との出会いはたぶんないでしょうから」
毎号巻末には保護者向けの記事があり、4月号には子どもの入学前に知っておきたい情報を満載した別冊付録付き。例年4月号は発行部数を増やして対応するほどの人気で、2023年4月号も完売しました。
多角的なタイアップ展開で、子どもや保護者へのリーチを拡大
子どもの興味を広げる多彩な内容は、タイアップとの連動性も抜群。玩具や文房具、工作用品のほか、食品や外食チェーン、家電、IT機器、自動車、旅行関係など、幅広い業種とのタイアップ実績があります。
「2023年の4月号から、年間でこういう特集をやりますというラインアップを明らかにしているんですが、特集や編集記事と連動したタイアップは、やはりアピール力が強いと思いますよ。それからコラボ付録も増えています。子どもたちが付録作りを通して、企業さんの商品やサービスをリアルに体験できるということが大きいですね。また付録と本誌記事との両方でやる大がかりなタイアップもあり、これはかなりインパクトがあります」
そしてタイアップにおける『小学一年生』の大きな強みは、幅広い読者層にリーチできること。『小学8年生』と連携できるほか、同編集部で制作している小学生高学年向けの週刊新聞『読売KODOMO新聞』でのPRも可能です。
「僕が全部見ているので、うちで一手に引き受けて3誌に出すということができるんですね。これなら小学生全学年にリーチできる。『読売KODOMO新聞』は週刊で、20万部以上発行されています。子どもたちにタテヨコ両面から一気にアプローチできるというわけです」
もう一つ、小学館の育児WEBメディア『HugKum』との連携でもリーチが拡大でき、着実な成果を上げています。
「巻末の保護者向けタイアップ記事を『HugKum』に転載したり、本誌でイベント開催のタイアップを展開した上で、『HugKum』でオンラインイベントを開いたり、ですね。コロナ禍では企業さんもリアルイベントができない時期が長く、『小学一年生』や『HugKum』でPRしてオンラインでやるとかなりの人が集まってくれるので、多くの企業さんに喜んでもらいました。オンラインイベントはそんなにお金をかけずにできるし、場所も選ばない。足を運ばなくてもイベントに参加できるので、地方の読者も積極的に申し込んでくれます」
他のメディアを交えた多角的展開に加え、素材をどう見せ、読者をどう楽しませるかもまた、子どもの心理への理解度が深い『小学一年生』編集部の腕の見せどころです。
「子どもにコンタクトしたいなと思っている企業さんがいらっしゃったら、まずはご相談いただければと。ご相談は無料ですし(笑)、我々編集者はやはり何かを考えることが好きなので。一緒におもしろがれるようなことを考えだして、それを実現していくのが楽しいんですよ。はっきり中身が固まっていなくて、子どもたちにこういうことを伝えたいんだけどな……というようなぼやっとした段階でもご相談いただければ、我々はそれを具体的な形にすることができると思います。扉は広く開いておりますし、もしかしたらこれまでご縁のなかった業種の企業さんとも、何かできることがあるかもしれない。何もないところから何かを作り出すのは我々の仕事ですから、そこはお任せくださいということです」
また、『小学一年生』の圧倒的な認知度を活かしたブランドコラボ企画も訴求力が大。独自の切り口で懐かしさや親しみやすさを表現したオリジナル小冊子で、新製品や企業の新しいムーブメントなど、新しいモノやコトを『○○一年生』としてアピールできます。
「以前に『社会人一年生』という小冊子を作りましたが、そうしたことは今後もやっていきたいと思っています。それから、2025年に『小学一年生』が創刊100周年を迎えるんですが、同じタイミングで創立や店舗開業などの○○周年を迎える企業さんがありましたら、周年がらみで何か一緒にできたらいいなと。お互いがお互いをPRできるので、かなり効果的なものになると思います」
こうしたアイデアなどと並行して、時代を見据えた雑誌の方向性の微調整も視野に入れているとのこと。
「100年続いている本なので、それを守っていかなければならないのは確かなんです。とはいえ、時代に合った形にしていく必要もある。この雑誌に対して読者や親御さんは何を求めているのか、何に満足して買ってくれているのか、また買ってくれない人の理由は何なのか。そうしたことを的確に把握して、常に方向を微調整しています。これまでは、編集者の肌感覚みたいなところにかなり委ねられてきた部分ですが、最近では実態調査なども行っています。今後さらに魅力のある『小学一年生』にしていきたいですね」
釣りが趣味で、ボート免許を持ち、海に出るのが好きだという齋藤編集長。大学は理科系の水産学部で、天然記念物のミヤコタナゴという淡水魚の研究をしていたことから、今もサイエンス系のテーマが得意です。一方で、編集長就任後にドラムを始めたそうで、その理由は〝居場所探し〟のためとのこと。月に1〜2回、自由気ままにやらせてくれる先生のもとに通い、伸び悩んだ時期を経て突如として叩けるようになったのが、トンネルを抜けたようで気持ちいいとか。ドラムでストレスを発散し、長い歴史を持つ雑誌の伝統を守りつつ、チューンアップしていきたいと情熱を傾けています。
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