編集長インタビュー『美的』鈴木智恵編集長

2022/06/29

今後は社会貢献にも寄与していければと考えています

13年連続美容誌実売No.1の『美的』を率いる鈴木智恵編集長。入社以来15年間、『小学五年生』編集部に在籍後、女性誌という全く環境の異なる『Oggi』編集部に異動したユニークなキャリアをもつ。『PS』で副編集長に就任し、『美的』、『Domani』、『Oggi』を経て、2019年から現職。

美容初心者が必ず手にとる、入門書でありバイブルでもある『美的』

“読者ファースト”で、美容初心者でも理解しやすい写真と丁寧な説明で、人気を誇る『美的』の読者最大の特徴は“真面目なこと”です。

「中心の年齢層は20代後半~30代前半の女性。都市部で働いている方が大部分で、独身6割:既婚4割くらい。美容が大好きで知識も豊富な方がいる一方で、ご自身のメイクやスキンケアなどのスキルアップを図ろうとしている向上心ある方、そして初心者がまず手に取っていただく立ち位置にあります。オフィスで勤務している方が多く、清潔感・素肌のきれいさ・きちんとした印象を求めているので、真面目な方が多いんです。そんなキャラクターの読者なので、キャプションを読み込む熱心さをおもちですね」

『美的』を代表する企画といえば、上半期、下半期と年間の『ベストコスメ』。総合ランキング、スキンケア部門、ベースメイク部門など部門別に読者とプロの“美容賢者”が選んでいます。

「年3回ある『ベストコスメ』は使用感のリアルな声、率直な意見を誌面に載せているのもあり、信頼されている企画です。特に、その年の総まとめである2月号の『ベストコスメ』は圧倒的な人気を誇ります。読者の方は、ランキングを参考に商品を買うことが多いので、実用性も伴っているのも受けている理由ですね。ほかには、コスメ新色ブックを年3回、ベースメイクブックを年2回、クリスマスコフレブックも読者が待ち望んでいる人気企画です」

ただ、さまざまな美容アイテムの色選びや使い方、肌質の悩みは千差万別。読者に寄り添う工夫をしなければなりません。

「自分の悩みに寄せられる企画は、読者から求められています。そのため、スキンケア企画では、朝はしっとり肌・夜は乾燥肌の場合、というように、ケースを細かくしていますね。ほかには、赤いリップひとつとっても“こんなにも違う仕上がりの顔になる”をメイク対決の形で見せる工夫もしています」

本誌とSNSの両輪で、読者個人にフォーカスし絆を深める

女性誌といえば、読者を惹きつける専属モデルや美容家の存在も欠かせません。特に人気が高いのは、有村実樹さん。男性も美容意識が高まっている昨今、メンズ美容を身近に感じられる苗床にもなっているようです。

「人気の秘訣は清潔感です。ご主人はフジテレビアナウンサーの榎並大次郎さんですが、このご夫婦が読者の理想像でもあるんですよ。2人でコスメをシェアしたり、有村さんが榎並さんにお勧めしたりなどは、パートナーと一緒に読んでいる女性読者にとっては憧れなんですね」

そんな専属モデル、また美容家と話ができるインスタライブは読者の心をときめかせています。

「インスタライブでは、読者の悩みや質問に有村さんが答えることもあります。言葉に愛のある、誠実な姿勢が好評で、ますますファンを増やしていますね。『美的』創刊メンバーで、『美的GRAND』編集長の天野佳代子さんも人気です。65歳とは思えない美肌っぷりと、経験豊富な美容トークはとにかく説得力が違いますから。また、タイアップでは、当選した読者に商品を送り、オンライン上で一緒に使う企画も行っていますね。写真では伝わりにくい部分も動画ならわかりやすくなるので、参加された方はその商品に愛着をもたれると思います。SNSやサイトではパッと光り速報性がある目立つアイテム、本誌では丁寧に取り上げる棲みわけをしていますが、『美的.com』との連携も好調です」

美容界のスターが揃う『美的』らしいSNS展開ですが、鈴木編集長が次に目指すのは読者とのつながりのさらなる強化です。

「もっと読者と深くつながれないかな? と考えています。SNSでつながりやすくなりましたが、もう一歩深い関係を築きたいという思いもあって。その考えで進めた企画のひとつが、2022年6月号の『眉とアイライン 自主トレ成果提出シート』でした。使用しているアイテムを使い、印刷された眉と目のイラストの上からいつものように眉とアイラインを描いていただき提出、プロが採点し返送する。添削を読めばその読者のメイクの正解がわかる、悩みを解決できることを目指しました。というのも、個人の悩みは、どうしても誌面では答えきれないんですよね。アナログな手法は時代に逆行するかもしれませんが、“あなただけに送られたメッセージ”が手元に残ることで、もっと美容を、そして『美的』を好きになっていただけるのではないかと考えています」

このようにバラエティに富んだ企画は多岐にわたり、読み物ページでは読者の知的好奇心を満たしています。

「30歳前後は転職するか、残るのか。結婚するか、しないのか。選択肢が多く、迷ったり考えたり苦しい時期だと思います。そこで求められるのは、肌にもいい、体にもいいヘルシーなことやメンタルヘルスなど。専門家監修で、深く掘り下げた記事になっています。美容がカバーする範囲は幅広く、ほかには自然保護やジェンダーと親和性が高い点も挙げられますね。読者と一緒に行う植樹ほか、今後は社会貢献にも寄与していければと考えています」

読者とのコミュニケーションのみならず、ファッション誌の『Domani』の小冊子付録、実用書『DIME』とメンズ美容を展開するなど社内でのコラボも盛んで密接な関係にもあります。性別、年齢を問わず美容に興味がある全ての人々に訴求力をもつ媒体が『美的』です。

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