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事例紹介 千葉市科学館/『くらべる図鑑』

小学一年生

2021.11.20



コロナ禍の企画展での「体験」を実現させた、人気図鑑とのコラボレーション



千葉市の公共施設である千葉市科学館が、シリーズ累計150万部の売り上げを誇る『くらべる図鑑』とタイアップした事例をご紹介します。

千葉市科学館は2021年夏の特別展として「くらべて発見! みんなの図鑑大研Q by 小学館の図鑑NEO +ぷらす くらべる図鑑」を開催(期間7/17〜8/29  2022年に栃木県子ども総合科学館、スリーエム仙台市科学館ほかを巡回予定)。
コロナの感染拡大で突きつけられた課題を、大ベストセラー図鑑とのコラボレーションによって乗り越えたバラエティ豊かな企画展は、教育関係者からも高く評価されました。

その企画実現までの経緯や、コラボから得られた成果について、千葉市科学館 事業課 課長の野副晋さんにお話を伺いました。


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「くらべて発見! みんなの図鑑大研Q by 小学館の図鑑NEO +ぷらす くらべる図鑑」企画展示室入口



「参加体験型科学館」ゆえに大きかったコロナの影響



「最初、2018年に、今回の特別展の施工をお願いした(株)ムラヤマさんから、『くらべる図鑑』をテーマにした企画はどうだろうかというご提案があったんです。コロナ前で、当時はよもやこんなことになるとは思ってもいませんでしたから、そのときは今後の企画の一つと受けとめ、軽く相談させていただきました」と野副さん。

千葉市科学館では毎年、夏の特別展をはじめ、春、ゴールデンウィーク、秋、冬の計年5回企画展を開催することになっており、いずれそのうちに、と考えていたそうです。
しかし、その後、コロナ感染の広がりによって、予定していた企画展を次々に変更せざるを得なくなります。

「私どもは『参加体験型科学館』ということで、体験要素が強い企画が多かったのですが、感染予防の観点から、その実施が難しくなってしまったんです。2020年夏の特別展も予定していたものを急遽変更し、人と接触せずに距離をとって見ることでも楽しんでいただける、錯覚をテーマにした企画展にしました」

正直、そのころはコロナもそのうち収まるだろうと思っていた、と野副さん。しかし夏が過ぎ秋になっても事態は好転しそうになく、では、2021年夏の特別展をどうするか、ということになりました。

「もともと考えていたものはやはり体験がメインで、やるのは難しい。そこでムラヤマさんのご提案を思い出し、図鑑をベースにした企画展であれば、基本的に見るものが中心で、コロナ禍でも皆さんにお楽しみいただけるのではと考えました」



単なる図鑑展ではない、「くらべる」視点を生かした企画展に



図鑑をベースにするにしても、『くらべる図鑑』には、ただ見るだけではない「くらべる」という視点があったからこそ、有意義な企画展になったと野副さんは語ります。

「千葉市科学館の展示は、一般の博物館とは異なり、展示物に対する具体的な説明がないんです。それは、来館者が、なんでこうなんだろう、どうすればいいんだろうと考えること、疑問や気づきを自分で考えて発見するということを、大切にしているからです。
ですので、図鑑をテーマにした場合も、単純に見るだけではないものにしたい。『くらべる図鑑』はただ見るだけではない切り口として、『くらべる』という視点があり、それが私どもの展示コンセプトに非常にマッチしたと思います」


企画の具体化は2020年の秋から。コロナの感染予防対策を考える必要もあり、準備はかなり慌ただしかったそうです。

「これまでの企画展は、他で展示されたものやパッケージになっているものをお借りして構成することが多く、大体1年ほど前から具体化させていくのですが、今回はゼロベースからのスタートでしたから大変でした。ただ、そのことは貴重な体験であり、今後を考えていくうえですごく有意義だったと思っています」

製作に入ってからも、展示スペースのレイアウトや、巡回展示物としての仕様、コストとの兼ね合いなど、準備を進めるにつれて、考えなければならないことが増えていきます。

「それを小学館さん、ムラヤマさんと詰めていきました。『くらべる図鑑』は内容がすごく魅力的であるがゆえに、何をどう取捨選択するかが難しかったんですが、一方で、コンテンツが非常に豊富なので、材料はいっぱいあるなというのが正直な思いでした。
企画を具体化していく中で、題材がたくさんあること、いわば選択肢が多いことはやはりありがたかったですね」


また図鑑をテーマにすることは、「科学を幅広い領域で捉えて、さまざまな文化と科学にふれあえる場を提供する」という千葉市科学館の主旨にも沿ったものになりました。


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「図鑑とのコラボのインパクトを実感した」と語った事業課課長 野副晋さん


「これまでの企画展は、例えば昆虫とか恐竜、深海などワンテーマのものが大半で、それは展示スペースや予算の規模からすると当然なんですが、今回は図鑑、とくに『くらべる』という切り口で、幅広くいろんなものを対象として扱うことができたのもよかったです。
今回取り上げさせていただいた中の、宇宙や世界の文化などは、それぞれ単体で企画しようとするとなかなか難しい。そういう点からも『くらべる』という切り口がすごくマッチしたなという感想を持っています」



集客はもちろん、展示内容にも大きなプラスとなったコラボ効果



今回の特別展の総入場者数は19,853人。コロナ禍で感染予防のため一部入場制限をしたこともあり、コロナ前の特別展と比べると数字的には少ないものの、コラボ効果により、狙っていたところまでは来ていただけた、と野副さん。

「やはり小学館さんの『くらべる図鑑』というビッグネーム、すでに認知度のすごく高いコンテンツと一緒にやらせていただいたことは、集客に関してかなり効果があったと思います。『くらべる図鑑』がベースになっていることの安心感というか、あの図鑑の内容ならと期待して、足を運んでいただけたのではないかと。
『くらべる図鑑』の読者からすれば、見慣れたイラストが告知のポスターやチラシに躍っているので目を引きますし、興味をそそられる。そこはコラボ効果というのが、すごく大きかったですね」


図鑑をテーマにしたことで、より幅広い層にアピールできたことも、集客面でプラスになったようです。

「昆虫や深海といったワンテーマの企画展ですと、その分野に興味のある方々はもちろんいらっしゃいますが、そこで収まってしまいやすい。先ほど申し上げたように、図鑑というテーマは、我々からすれば幅広い対象をマルチに扱えるのが魅力ですが、来場者側からしても、いろんなものを見て楽しめるんだなと、思っていただけたんじゃないでしょうか。
『図鑑』という看板があることで、より多くの人に、さまざまな尺度やベクトルを期待して来ていただけたのではと思います」


そして展示内容においても、『くらべる図鑑』のコンテンツをもとにすることで、来場者の心をつかむインパクトのあるものになりました。

「入ってすぐのところの大きなスクリーンに、動物の映像をほぼ実物大で投影して、来場者が自分自身と比べることができるようにしたんですが、冒頭でいきなりインパクトのある内容が展示できたかなと自負しています。
それはやはり、小学館さんのコンテンツがないと実現できたことではなかったですね。実物大で写真だとちょっと怖かったりもしますが、小学館さんの図鑑はなじみやすいイラストであることも、見せ方としてすごくよかったと思います」


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プロジェクター映像による壁面投影(「走る」をくらべる)


来場者のリアクションもよく、教育関係者からも高い評価が



ちょうど夏休み期間と重なった特別展。来場者は親子連れが多く、「くらべる」ことのおもしろさは、親子のコミュニケーションにも大いに役立ったようです。

「現場に出ていますと、比べてみるとこんなに違うんだとか、逆に、意外に一緒なんだという驚きのリアクションが多かったですね。
また展示を見ながら親御さんが子供さんに、これはああだよ、こうだよと言ったりすることはもちろん、思いのほか子供さんのほうもよく知っていて、これ見たことあるとか、これはこうなんだよというやりとりが結構ありました。親子ですとか一緒にいらしたグループで、いろいろ科学のことを話すきっかけになったんじゃないでしょうか」


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巨大ターポリンタペストリーによる展示(「山の高さ」をくらべる)


また「くらべる」視点をもとに科学館のスタッフが考えた体験コーナーや、関連イベントも好評でした。

「小動物の重さをバケツに重しを入れたもので比べてもらったり、実物大に近い動物のツノのパネルを頭のわきにつけて、どんな感じかを比べてもらったりしたんですが、こうしたことも子供たちにすごく響いたようです。
そして図鑑のコンテンツが強力なので、関連イベントも充実したものになり、こちらも参加された方々が親子ともども盛り上がっていました」


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「くらべる」視点をもとに考えた体験コーナーは1万人以上が体験


こうした図鑑が持つ幅広いコンテンツをベースに、科学への興味を促す企画展は、教育関係者からも高い評価が寄せられました。

「教育の現場に近い方々もたくさんいらっしゃって、そういう方々から、子供の夏の自由研究という時期に、子供に科学のいろんなことに興味を持ってもらう過程として、きわめて適切な内容だという評価をいただきました。これは市の教育委員会の担当者からも同様の評価をいただいています。
また来場者に、身近なものを自分の視点で比べてレポートを書いてもらうワークショップでは、予想以上に多くの、ユニークなレポートが集まりました。こちらも先生方に、とてもいい取り組みだと言っていただきました」



「くらべる」ことは新しい発見につながる体験



最後に野副さんに、今回の『くらべる図鑑』とのコラボレーションを振り返っていただきました。

「まず、図鑑とのコラボが、いろいろな面で大きなインパクトを持つことを実感しました。何より図鑑には、多くの人々を惹きつける魅力がありますね。
それに我々は『体験』というと、何かを触ったり、自分で操作したりといった物理的な体験を主に考えますが、今回の特別展を通じて、『見て、知って、感じる』ということも、広い意味でちゃんとした体験だと言えるんだなと思いました。
とくに『くらべる』ことは、映像や身近なものを使って体感してもらえますし、来場された方々に、楽しみながら新しい発見や気づきを得てもらえたのではと思います。
小学館さんはいろいろ優れた図鑑をお持ちなので、これは私見ですが、ぜひまた、他の図鑑でご一緒させていただきたいですね」


「日常の身近なところから科学へ」をキーコンセプトとする参加体験型の千葉市科学館と、革命的図鑑として図鑑ブームの火付け役となった『くらべる図鑑』。今回のコラボレーションは、それぞれの視点がうまくマッチングして、充実した企画を生み出した事例と言えるでしょう。


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企画展を担当した千葉市科学館事業課の(左から)須鎗隆さん、野副晋さん、高津戸望さん


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